オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

凍てつく冬こそおススメ❗北欧ミステリー 3選

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(From Pixabay)

 いつの頃からか、何故か(小説でも映画でもTVドラマでも)北欧ミステリー好きになったヲタク。全編を流れる暗くて陰鬱な雰囲気、謎解きの奥に潜む移民差別や児童虐待、政治の腐敗等の社会問題、甘さを一切排除したようなシビアな結末…。こんなふうに書いてくると、「とてもじゃないけど、何が面白いのさ」って言われそうだけど、内容の暗さ、重さに反して、その舞台となる北欧の自然や街並みの綺麗なこと❗こんな美しい背景の中で、あんな陰惨な事件が…っていう、ギャップ萌え?……うん、そうだ❗ヲタクはギャップに弱いのだ(納得)…って、前置きはそのくらいにしまして(笑)

 

 「トラップ~凍える死体」シーズン1,2

(アイスランド)


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   シーズン1は、首都レイキャビクから遠く離れたアイスランドの港町沖合いに停泊した船が、人間の胴体を引き揚げたところからストーリーが展開します。意に反して、捜査の陣頭指揮を取ることになった警察署長アンドリ(オラフル・ダッリ・オラフソン)。殆ど事件らしい事件が起きない田舎町のことゆえ、捜査に当たることのできるのが、彼の他に女性警察官ヒンリカと、真面目だが少々ドジな独身中年男のアウスゲイルのみ。レイキャビクの首都警察に応援を頼もうにも猛吹雪で道は閉鎖。3人で何とか事件を解決しようと奮闘するアンドリだが、それを嘲笑うかのように次なる殺人が…。

 

  アンドリがシロクマ(あるいはムーミンパパ?😅)みたいな巨体を揺すりながら事件解決に走り回るさまは微笑ましい…と言いたいところですが、彼の家庭環境は微笑ましいとは程遠い状況😢離婚した妻は新しい夫とルンルン生活、なぜか彼は元妻の実家で、置いてきぼりの娘二人と同居生活(…なんでこんなことになっちゃったんだろう?ナゾである(-ω- ?))。

 

  結末は見ている我々も目を背けたくなるほど重苦しいものですが、一方で、生きることの難しさ、辛さ、切なさが胸を打ちます。やはりアイスランド出身の作家、アーナルデュル・インドリダソンの作品に相通じるものがある気がします。

 

  しかし、背景となるアイスランド雄大な自然~どこまでも続く白い山々、透明な海、深々と降りしきる雪のさまはどこまでも美しく、この世の楽園のよう。(ベン・スティラーが主演した映画『LIFE!』に登場した風景そのままです😊)そのギャップたるや、強烈。

 

  シーズン1、2ともネトフリで配信中。(シーズン2では、連続殺人事件と並行して、アンドリと次女の親子の関係性が描かれます。ずいぶん日本のお父さんと違うんですよね。もう少し父権?を行使してもいいんじゃないかと思うくらい😅そういうところも興味深い😊)


「ブリッジ」シーズン1,2,3


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  ちまたでは、「キリング」と共に、北欧ミステリーブームの先駆けになった作品と言われております。…しかしそもそも、日本で北欧ミステリーブームなどというものは存在したのであろうか❓ヲタクの回りには「北欧ミステリーが好き」と言ってる人など、一人もいないのですが(笑)

 

  ヲタク的には、ハリウッドでリメークされ、デンマーク国民の3人にひとりが見たという「キリング」よりも、どちらかと言えばこちらのほうが好みかな😅

 

  シーズン1の冒頭、デンマークスウェーデンをつなぐ、オーレスン橋のライトが突然消え、その後復旧すると、その国境線上には切断されたひとつの遺体が。上半身はスウェーデン側、下半身はデンマーク側。そして、その上半身はスウェーデンの政治家、下半身はデンマークの娼婦という、衝撃的なオープニング❗この状況から、スウェーデン側の女性刑事サーガ・ノレーンとデンマーク側の刑事マーティン・ローデは、共同で捜査を開始することになります。

 

  サーガはアスペルガー症候群という設定。なので、職場で多くの人の目があるにもかかわらず、時間がないからといって突然セーター脱いで着替えちゃうなんてシーンもあります😅でも、さすが個人主義が徹底している北欧、同調圧力が強く、障害を抱えているとなかなか職場の人間関係が上手くいかない場合が多い日本と違って、サーガの障害を理解した上で彼女の突出した才能を生かしていこうとしている職場環境が興味深いなぁ…と思って見てました。

 

  シリーズを重ねるにつれ、主人公たちが次々と驚きの展開に巻き込まれていきます😮ヒーローはいない、警官も弱さを抱えた一人の人間…という、リアルを追及する北欧ミステリーならではの展開なんですが、ここで好き嫌いは分かれるかも。

 

  デヴィッド・フィンチャー監督が「ドラゴン・タトゥーの女」をリメークしたりして、ハリウッドでも一時「北欧ミステリーブーム到来か❗❓」って騒がれましたが、その後はサッパリ😅どー考えても、アメリカでは人気出そうもないよね(笑)

 

 「湿地」


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  我が愛するアイスランドのミステリー作家、アナールデュル・インドリダソンの作品の映画化。北の湿地に立つアパートの一室に横たわる老人の死体。その部屋には、ある少女の墓石が写っている古い写真と、3つの言葉が書かれたメモが…。それを手がかりにして、老人の暗い過去を探り、ついには驚愕の真実を知ることになる主人公、エーレンデュル捜査官。

 

  見終わって、ストーリー展開にかなり偶然が続くような感じがするかもしれませんが、アイスランドの人口はわずか42万人。あの広大な土地にわずか新宿区民の人口しか住んでいません。国民のルーツを探ればどこかしらで血縁が繋がっていると言われます。この映画を見る際には、そんな知識を頭に入れておくといいかも😊

 

  インドリダソンの作品って、ある殺人事件をきっかけに、ある人物、家族の歴史を遡り、さらに遠い過去の犯罪が露になっていく…っていくパターンが多いんですよね。北欧版「コールドケース」とでも言うのかな。アメリカ版と違って、「過去がわかって良かった❗」ってカタルシスはあんまりないですけどね😅

 

  ヲタクはこれまで北欧ミステリーについては度々記事を書いておりまして、今まで記事にした作品については今回は話題にしておりません。もしこの記事を読んで北欧ミステリーに興味を持った方がいらっしゃいましたら、「ドラゴンタトゥーの女」「蜘蛛の巣を払う女」などのリスベット・サランデルシリーズ、「特捜部Qシリーズ」(2つのシリーズとも、映画化されています)、Netflixオリジナルドラマ「刑事ソフィア・カルピ」(第1・第2シリーズ)などもおススメです😉