後味が悪く、イヤ~な気持ちで終わるミステリー作品、略して「イヤミス」。 ... サイコパスのゾッとする心理描写や、どうにもやるせない人生の裏側を描き、謎解きがあってもそれがカタルシスにならず、かなりの不快感が残る。ヲタクはなぜか、周期的にこの種のミステリーが見たく(あるいは読みたく)なります😅
「この梅雨入りしたジメジメした不快な季節にいい加減にしろ❗」って思うご仁は、どうぞ読み飛ばしてねー(笑)
第10位『霧の中の少女』 (2017年イタリア)
プロットが素晴らしく、どんでん返しの連続で、それこそ霧の中で立ち往生したように先が全く見えません(笑)それもそのはず、監督はミステリー作家で、自作を脚本・監督してるんですね。イタリア山間部の、閉鎖的な小さな村。霧深い夜に突如としてかき消えた少女。主人公の警部役に、『イタリアの至宝』と呼ばれる超演技派のトニ・セルヴィッロ。野心家で、正義を遂行する為なら何を犠牲にしても構わないという、カリスマ警部の人物造型が見事。ジャン・レノがストーリーの鍵を握る重要な役で出ています。ラストの衝撃に息を飲みます(>_<)
第9位『シャッター・アイランド』(2010年アメリカ)
精神異常の犯罪者たちが収容されているボストンハーバーの孤島、シャッターアイランド。ある日一人の女性が謎の言葉を残して島から逃亡。事件解決の為に島に乗り込んだ連邦保安官(レオナルド・ディカプリオ)がそこで知った恐ろしい事実とは…❗❓
監督はマーティン・スコセッシ。単なるミステリーの謎解きでは終わらない、その果てに垣間見る人生の不条理、哀しさ。観た後に残る深い余韻は、さすがスコセッシ監督、さすがレオさま😍やはりこの二人は、どんな作品でもゴールデンコンビですね🎵
壮大なマジックの成功に命を賭けた二人の天才マジシャン。二人の間には、複雑に絡み合う 因縁と、消えることのない激しい憎悪が…。これをミステリー映画に分類したら怒られるかもしれませんが😅SF&ダークファンタジーの要素もありますね。ストーリーも謎解きのトリックも非常に奇想天外なんですが、ヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベールの鬼気迫るリアルな演技によって、観る者の心には、復讐の虚しさ、憎しみの連鎖が全てを破壊し尽くす恐ろしさが深く刻まれるのです。監督は、クリストファー・ノーラン。在りし日のデヴィッド・ボウイが、実在の科学者テスラ役でカメオ出演しています😍
第7位 『ブラックダリア』(2006年 アメリカ)
ミステリー作家ジェームズ・エルロイの暗黒小説、L.A.4部作の第1作。第3作の映画化が、以前拙ブログでもご紹介した『L.A.コンフィデンシャル』で、こちらはスタイリッシュなフィルムノワールの趣で、暗黒な中にも、結末は仄かに未来への希望と光明が感じられたものですが、『ブラックダリア』はズバリ、イヤミス以外の何物でもありません(笑)
登場人物のほぼ半分がサイコパスというトンでもない展開ですが、もっと恐ろしいのは、この、女優志望の若い女性の猟奇的な殺人事件が、実在のものだったということ。ハリウッドという魔物に飲み込まれ、翻弄される者たちの残酷な悲劇。監督はブライアン・デ・パルマ。ストーリーよりも何よりも、人間の影の演出とか、シーンの転換にワイプを使うとか、パルマ流の耽美的な画面がヲタク的には凄く好きです😍
第7位 『特捜部Q』シリーズ(2013年~2018年 デンマーク)
これ、ヲタクはユッシ・エズラ・オールセンの原作も大ファンで、出版された7作全て読んでるんですが、結末がわかっていてもつい引き込まれて見てしまう数少ない映画シリーズ。何しろ主役の二人(ニコライ・リー・カースと、ファラス・ファラス)が原作のイメージにピッタリ❗特に、主人公カールのバディであり、その出自も経歴も謎に包まれたシリア人❓アサドの飄々として、しかもイザという時には頼りになるアツいキャラが、事件の陰惨さを救っています(北欧でミステリーは娯楽であると同時に、社会の暗部や、そこに潜む数々の問題を抉り出すという役割を担っているらしく、どうしてもストーリーは暗く、重厚なものになりがち)
シリーズの中から今まで4作映画化されていますが、どれも秀作だと思います。サブストーリーはないので、どれから見ても大丈夫です😊
(2013年『檻の中の女』、2014年『キジ殺し』、2016年『Pからのメッセージ』、2018年『カルテ番号64』)
本国では大・大ヒット作で、ついにデンマーク映画史上最高の興行収入を記録したもよう😮