オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

この魔女、狂暴につき😅~映画『魔女がいっぱい』

f:id:rie4771:20201213072540j:image

  ギレルモ・デル・トロロアルド・ダールの『魔女がいっぱい』を映画化~~❗こりゃ、見ないとアカンやつでしょう(笑)(注・但し今回は監督ではなく、プロデュース&脚本に名を連ねています)

 

  ロアルド・ダールの原作は、祖母と暮らす一人の少年が魔女によってネズミに変えられてしまい、「世界中の子どもたちをネズミに変身させる❗」という魔女たちの悪辣な陰謀(魔女は世界中でいちばん子どもがキライ…という設定)を阻止しようとする…というおはなし。監督はロバート・ゼメキス(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フォレスト・ガンプ』)だから、そのまま行ったら、少年の、アメリカン・スピリットに溢れたアドベンチャー、そして苦難を乗り越え大人に成長するというビルディングスロマンになったところでしょうが(まっ、それはそれで楽しそうだけど)、そこにデル・トロが加わったことで、原作のけっこうダークでシビアなテイストも保ちつつ、魔女のキャラ造型が、彼ならではの独特な魅力に溢れているのです。

 

  デル・トロの「異形への偏愛ぶり」は、『パンズ・ラビリンス』のペイルマンや、『シェイプ・オブ・ウォーター』の半魚人の、セクシャルな造型で既に実証済みですが、今回デル・トロの期待を一身に受けて登場したのが(おそらく…ね😅)なんと、あのアン・ハサウェイ❗これはねー、ドギモ抜かれましたよね(笑)厚化粧やカツラで覆い隠してはいるけれど、そのじつ「手の指はかぎ爪、子どもの匂いを嗅ぐと鼻柱は20センチも広がり、口は耳まで裂ける」という恐怖の魔女軍団の頂点に君臨するラスボス((( ;゚Д゚)))ロシアか東欧?なまりの巻き舌英語を駆使し、恐ろしく狂暴で圧倒的オーラを放つ、眩しいばかりのゴージャスなヒール❤️…ギレルモ・デル・トロの「異形への偏愛」は、アン・ハサウェイを得て、ここに極まれり(笑)

 

  この映画の凄いところは、アン・ハサウェイ演じる大魔女が、長い間、異質なものを排除しようとする人間たちに恐れられ、忌み嫌われ、時には中世の魔女裁判のように迫害を受けてきて、ひょっとするとその復讐をしようとしているのでは…と思わせる場面があること。脚本の力か、演技の力か…。きっとその両方😊

 

  ネズミに変えられた孫の少年を助け、アン・ハサウェイの大魔女とガップリ四つ、堂々と戦い抜く肝っ玉おばあちゃんにオクタヴィア・スペンサーという名女優を持ってきたのもナイスキャスティング❗(『ヘルプ 心をつなぐストーリー』『ドリーム』『シェイプ・オブ・ウォーター』等々、逆境に負けないガッツな役柄はこの人ハマリ役ですよね😊)この、アカデミー賞女優二人のガチンコ勝負も見ものですゾ😉

 

  ハラハラドキドキの冒険譚に、(幸せは目に見えるものじゃなくて、決まった形があるものでもなくて、自分の置かれている状況をどう捉えるか、そして自らがどう行動するかにかかってる)…というさりげない教訓も滲ませて、大人も子どもも楽しめる、そして見終わった後は自然と、自分の日頃の生活を振り返る……そんな映画になってます。

 

  人生に必要なことはみんな、映画が教えてくれる。今までも、そしてこれからも😊