オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

英国上流階級の子弟はみんなM❗❓😅~Netflix『ザ・クラウン』シーズン1-②


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(エリザベスの母である王太后がこよなく愛したスコットランド…Pixabay)

若くして女王に就いたエリザベス二世(クレア・フォイ)。毎日首相の訪問を受け、国内外との政治家との意見交換も度重なる中で、文学、科学、数学など一般教養を学ぶ機会がなかった為に、次第に劣等感の塊になっていくエリザベス。(当時は、こういった学問は帝王学の中には入っていなかったんですね👀)ある高名な教授から個人授業を受けることになりますが、そんなある日、チャーチル(ジョン・リスゴー)が軽い脳梗塞で倒れ、アメリカのアイゼンハワー大統領との首脳会談を控えていたチャーチルは側近に箝口令をひき、マスコミにインフルエンザと発表させます。それを知ったエリザベスは、「首相が病気の事実を君主である自分に隠しているのは憲法違反」と憤りますが、さて、それをどうしたものか?と思案した時に、教授が言った一言が痛快です。

 

  あなたは幼少の頃より英国憲法を叩きこまれた。

彼らを呼びつけて子どものように叱りつけてやればよいのです。

上流階級の子弟は乳母に叱られるのが好きなんですから。

 

えーー❔そーなの❗❔知らなかったなぁ、英国のいいとこぼっちゃんがみんなMだったなんて。んじゃ、ベネさまもトムヒもエディもM❗❓そっかー、だからヘンリー王子もメーガンにアタマ上がらないのか。

(…ち、違う❔😅)

 

  このエピソード、エリザベスが「英国君主たるもの、数学や科学は知らずとも、国の基礎、大英帝国憲法の代弁者であるべし」という真実に目覚め、女王としての自信と威厳を取り戻していくプロセスは胸にグッときますねぇ…😢

 

 

 シーズン1のラストでは、チャーチルの引退直前のエピソードも。80才の誕生日を記念して、前衛的な現代画家グラハム・サザーランドがチャーチル肖像画を描くことになります。チャーチルも画才があり、画集も出していることから、お互いの芸術を批評し合うことにより、また、偶然にも子どもを幼い頃に亡くすという共通体験から、次第に心を通わせていくチャーチルとサザーランド。しかし、祝賀式典で初めて自分の自画像を見たチャーチルは激昂。そこに描かれていたのは、かつてヒットラーに打ち勝ち、英国民を勝利に導いた英雄ではなく、気難しげにこちらを睨み据える、一人の老人の姿だったからです。

 

  自宅の家のほとり、怒りに駆られて肖像画に火を付けよと命じるチャーチル。(サザーランド作のチャーチル肖像画は、のちに「失われた傑作」と呼ばれるように)しかし、彼は知っていた。現実から目を背けているのは自分自身だと。サザーランドが発した言葉…「老いとは残酷なものです」は、真実をついていると。しかし、自身の肖像画を見て事実を受け入れ、潔く引退を決意するチャーチルはやはり史上稀に見る傑物だと、ヲタクは思います。首相官邸での晩餐会で、エリザベス女王の「これからどれだけ優れた首相が誕生しようと、私にとって最初の首相という称号はあなただけのもの」というスピーチを聞いて、感激の涙を流すチャーチルの姿は胸に迫るものがあります。エリザベス女王は後年チャーチルが90才で亡くなった時、英国君主は臣下の葬儀には出席しないという慣習を破り、セントポール大寺院での葬儀に参列しています。

 

  また、エピソード1で興味深かったのが、「女王のお金儲け」(笑)英国をはじめとしてヨーロッパ王室と日本の皇室の決定的な違いは、ヨーロッパでは王族も個人の資産を持ち、自ら資産運用していること。『ザ・クラウン』でも、馬主であるエリザベス女王、持ち馬がレースで優勝し、アメリカからレースに招待されるんですが、レースに出るのと早めに引退させて種馬として稼ぐのと、どっちが儲かるか…と一生懸命思案している場面が登場します。でもって、結局女王の馬は種馬生活に入り、ドラマでは馬の交尾場面もバッチリ描かれていて😅それを食い入るように見ているエリザベス女王とフィリップ殿下。

 

いやー、かなりエグいわ『ザ・クラウン』❗


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