ソボクとは、2500年前に始皇帝の命を受け不老不死の霊薬を探したといわれる実在の秦の家臣「徐福(ソボク)」に因んでつけられた名前であり、死を克服した人類の象徴だという。
映画評のサイトに行くと、SFアクションって分類されてるけど、1つのジャンルになんて収まりようがない、そもそも分類不可能な映画❗
SFであり、ロードムービーであり、カーアクション映画であり、親子の人情モノであり、生と死の意味を問う哲学的な映画であり、ブロマンスであり…。こんなてんこ盛りの要素が、二時間という限られた時間の中に過不足なく、きちんと収まってる、凄い映画です❗
こういう、深遠なテーマ提起とエンタメ性を兼ね備えた映画って、ひと昔前はハリウッドのオハコだったハズだけど…。韓国映画、ひけをとらない❗…いや、ある意味ハリウッドを超えてるかも…。分かりやすいハリウッド的エンタメ大作のストーリーに、東洋的な死生観、特に親子の情愛や兄弟愛(主人公二人は擬似兄弟だからね😉)が織り込まれているから、日本人の私たちにとっては感動がひとしおなのかも。
脳腫瘍を患い、余命1年と宣告された元情報局エージェントのギホン(コン・ユ)。死を待つだけの絶望的な日々の中、彼は元上司からある任務を依頼される。それまで極秘に進められていた遺伝子操作プロジェクトの対象である不老不死のクローン、ソボク(パク・ボゴム)を、彼の生まれ育った研究所から他の場所へ護送するというものだ。しかしその裏には、巨大な陰謀が蠢いており、護送車は襲撃を受け、ギホンはソボクを連れて逃避行をするハメに…。
研究所で純粋培養され、逃避行の当初には人間的な感情を一切見せなかったソボクが、ギホンとのふれあいによって次第に個性を持ち始め、人間らしく変わっていく過程…ソボクを演じるパク・ボゴムの瞳が美しすぎる、演技が上手すぎる😮「さんづけで呼ぶな」って言われて、おそるおそる「…兄さん❓」って言う時のイントネーションが、ラーメンすする口元が可愛いすぎる(笑)それを受け止めるギホン役コン・ユの、一見荒々しく手負いの獣のようでありながらも、そのじつ、誰より優しく誠実な兄さんぶりが心に刺さりすぎる(ものすごくイケボだしぃ~😍)
研究所しか知らないはずのソボクが、唯一行ってみたかった憧れの場所。その理由が明らかにされた時、観ている側は、もはや涙腺崩壊😭😭…それからはもはや、ソボクが何言っても何やっても涙が溢れ出て止まらず、おばさんホント、困ったゾ😅
ギホンも、ソボクも、一方は人生の過去のトラウマから、そして一方はその出自から、それぞれ生きる意味を見つけられずにいた。ソボクはギホンに、いや、観ている私たち全員に、その澄んだ幼子のような瞳で問いかける。
生きる意味が見つからないのに、なぜ死ぬのは怖いんだろう?
死ぬ…って、眠りから目覚めないことだよね?じゃあなぜみんな眠ることは怖がらないの?
その哲学的な問いにギホンも私たちも答えが見つからぬまま、迎えるラスト。壮大かつ悲劇的なクライマックスに、私たちは渦の中の1枚の木の葉のように巻き込まれ、翻弄され、打ちのめされる。(『AKIRA』を思い出させる…って書き込みを見たけど、個人的には『ダークフェニックス』(X-Menシリーズ)か『キャリー』かなぁ…。)
パク・ボゴムはソボク役を引き受けたきっかけについて…
人間を人間たらしめるものは何か? 科学技術に倫理が必要なのはなぜか? ソボクは“人間”と“生”について考えるきっかけをくれたからです。
とインタビューで語っていますね。役に対する理解、真摯な向き合い方があったからこその入魂の演技だよな…。
上映している映画館数は少ないようですが、今この時、見るべき一作であることには間違いない❗
「ソボク役がパク・ボゴムさんではなかったとしたら、この作品は根幹が伝わりづらい作品になっていたかもしれない──そう、思うほどです」
— VOGUE JAPAN (@voguejp) 2021年7月15日
映画『SEOBOK/ソボク』監督、イ・ヨンジュにインタビュー。 https://t.co/ZpCQ6L54wf pic.twitter.com/NEeoPjhyGI
本日公開!
— VOGUE JAPAN (@voguejp) 2021年7月16日
コン・ユとパク・ボゴム、2大韓国スターが出演する映画『SEOBOK/ソボク』の監督、イ・ヨンジュにリモートでインタビュー。 https://t.co/kh6aRcmgtK pic.twitter.com/lXM2LxnmVj