オタクの迷宮

海外記事を元ネタにエンタメ情報を発信したり、映画・舞台・ライブの感想、推し活のつれづれなどを呟く気ままなブログ。

オトナの階段登る~🎵~Netflix『新米刑事ヴァランダー』

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(スウェーデンデンマークを結ぶマルメ大橋。はいっ、あの北欧ミステリードラマ『The Bridge』の舞台になった橋ですね。懐かしい…From Pixabay)

第1シーズンに引き続き、早くも第2シーズン配信開始のNetflixオリジナルドラマ『新米刑事ヴァランダー』❗ご存じの通り、北欧ミステリーの巨匠ヘニング・マンケルの原作をベースにしています。中年以降のヴァランダーの事件簿については、英国の名優ケネス・ブラナー(アガサ・クリスティの名探偵エルキュール・ポワロに扮した『ナイル殺人事件』がまもなく公開ですし、監督作『ベルファスト』はアカデミー賞ノミネート)が、以前BBCのドラマシリーズでヴァランダーを演じ、英国アカデミー賞ドラマ部門など、数々の賞を受賞しました😊

 

  さて、第2シーズン。第1シーズンでは、マルメ署のヘムベリ警視(リチャード・ディレイン)にその優れた直感力と鋭い推理力を見込まれて巡査から重要犯罪課に抜擢された若きクルト・ヴァランダー(アダム・ポールソン)。往々にして熱意が度を越してルール無視、暴走気味だった彼😅それでもそれを面白がっていたふしのあるヘムベリはかなりヴァランダーに甘かったですよね(笑)まあ、ヘムベリ自身も犯人を挙げるためには多少ルール違反も仕方ない…っていう叩き上げのタイプだったからね。

 

  ところがところが、今回新たにマルメ署に着任した若いオセイ警視は、時代の先端を行くような頭脳派で、口癖は「まず、プロトコルを守れ」。これは最も不得意そうだね、ヴァランダー(笑)着任早々オセイ警視に呼びつけられ、第1シーズンでの様々な規格外捜査についてネチネチ問い詰められ、くさるヴァランダー。第1シーズンから何かと面倒を見てくれているフリーダ・ラスク警部(リアン・ベスト)に「僕は彼に嫌われてる」とグチりますが、どうもオセイとわけありの仲らしいラスクは、「ともかく、彼の言う通りにして」と取り合ってくれません😅しかし…しかしですよ、そこは素直で真摯な青年ヴァランダー、ラスクのアドバイスを受け入れ、オセイの命令に従って行動するうち、刑事としても人間としても急速に成長していくんですよね❗もちろん、本格ミステリードラマとしても一級品ですが、一人の青年が職業人しても成長していく人間ドラマとしても素晴らしいと思います。

 

  さて今回のストーリー。ある夜、車で轢き逃げされた若い青年の遺体がマルメの街で発見されました。しかしその遺体は何度も車で潰され、顔もわからないほど損傷していました。まるで何かの怨みを晴らすように…。捜査を進めるうち、衝撃の事実が発覚します。青年は数年前、年の近い兄と共に高校の水泳コーチを襲撃し、残虐な殺害方法でスウェーデン中を震撼させた本人だったのです。殺害したのは兄で、少年犯罪のため更正施設に収監されましたが、弟の幇助は未成年ということで罪には問われず、名前を変えて生活保護を受け、ひっそり暮らしていました。それが今になってなぜ…❓出所を控えた兄に「話したいことがある。大事なことなんだ」と死の直前語っていた弟…。その内容とはいったい何だったのか❓

 

  第1シーズンはヴァランダーの人となりやスウェーデンの社会情勢が丁寧に描かれ、ヲタク的にはとっても面白かったのですが(最期はちょっとイヤミスすぎて不完全燃焼でしたが…笑)本格ミステリーファンはちょっと物足りなかったかも❓(観るほうとしてはけっこう早い時期から犯人推理できちゃったしね😅)それを挽回するように今回の第2シーズンはミステリーとしても素晴らしいし、手に汗握るアクションやカーチェイスも◎❗ラストも伏線が回収されてカタルシスもあって良かったー。推理ドラマに未成年犯罪や、スウェーデンにおける犯罪者の人権問題…等々社会問題が深く関わってくるのも、第1シーズン同様、いかにも北欧ミステリーらしいです😊

 

  ドラマの最初で「僕はオセイに嫌われてる」とグチったヴァランダー。でもそれってじつは、仕事上でとかく感情に走ってしまう彼自身の心情の裏返しなんですよね。自分が感情的だから、上司も好き嫌いで自分を見てるんじゃないか……ってゆう😅しかしオセイの命令に従って行動するうちにヴァランダーは、物事を俯瞰的に見て、次第に冷静な判断ができるようになっていきます。…まあ、やる気マンマンなのに腕っぷしは弱くて、すぐノされちゃうのは相変わらずだけど(笑)

 

オトナになったね、ヴァランダー❗

 

ヲタクはケネス・ブラナーの『刑事ヴァランダー』シリーズも先に見ていてファンだったのですが、観察力、推理の直感力の鋭さとか、人情味に溢れてるとことか、互いにキャラの整合性がとれてるから、両方比べてみるのも楽しいと思います。後に妻になるモナとの馴れ初めや関係性も丁寧に描かれてますし😊…ただし、長身で典型的北欧イケメンのポールソン君が、中年になってどうやったらケネス・ブラナーになるのか、唯一体型面ではナゾが残りますが(笑)


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