オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

ロバート・エガース監督に夢中❤①〜『ウィッチ』・『ライトハウス』・『ノースマン』

 Indie Wireに面白い記事見つけました〜🎵

「ロバート・エガース監督の好きな映画10選」。クリスティアン・ジルコ氏というライターの方の記事なんですが、いちいちヲタクのツボにハマっちゃったんで、今日はこの記事をご紹介します。

 

 

ロバート・エガースは映画制作のキャリアは浅く、今までに3本の作品しか監督していないが、アーティストの多くが生涯をかけてやっと持ち得る独自の「視点」を既に身につけている。


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※『ウィッチ』(2015年)

アニャ・テイラー=ジョイの透き通るような美しさが衝撃的。まさに美と恐怖の融合。

 

エガース監督は2015年の『ウィッチ』で、彗星の如く映画界に登場した。あまりにも素晴らしい内容だったため、※「Elevated Horror」などというジャンルまで生まれてしまったほど。この17世紀のニューイングランドにおけるピューリタン社会を題材にした作品で、エガース監督は人間の心の裏側に潜む闇について深い洞察力を有していることを如実に証明してみせたのである。続く『ライトハウス』で彼は「孤立」と「性的抑圧」のテーマに挑んだ。人魚をあのような形で見せられる作品は他にそうそうないだろう。『ハムレット』の元ネタとされるヴァイキング叙事詩を、歴史に忠実に彼は描いた。

※Elevated Horror

高尚なホラー、とでも訳すのかなぁ(^_^;)アート・ホラーとも呼ばれるようで、スプラッターのような、ただただ生理的に怖いホラーではなく、ドラマ性や包括的テーマ、芸術性を追求したホラー。古くは『カリガリ博士』、『ノスフェラトゥ』、『サイコ』、新しいところではエガース作品はもちろんのこと、『ヘレディタリー 継承』や『ミッドサマー』『ラム LAMB』等、主としてA24制作のホラー映画を指すようです。
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※『ライトハウス』(2019年)

ロバート・パティンソンの狂気の演技が凄まじい。この映画の中で、人魚は性的抑圧の象徴。

 

 エガースの作品は万人向けではないが、好きになるとますます沼にハマるタイプ。彼が所謂「時代モノ」を好んで制作する理由は、「現代社会が目を背けている人間の本質を描くことができるから」。「 この種の創造的作業は、安閑とした現代社会で、自分自身のエゴにしか関心の持てない状況では成し遂げるのが難しい」と、2022年のインタビューで彼は語っている。「神の名のもとに祭壇を造っていた中世の職人が羨ましい。他者の祝祭の為に仕事をすることで、創造性は培われるのだ。この退屈で商業主義にまみれた現代文化の只中にいる私から見れば、彼らを取り巻く環境はワクワクするものばかりだ」


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※歴史に忠実……というだけあって、まるで獣と人間の中間のような、泥と血と汗にまみれた当時のヴァイキングの描写がリアル(……過ぎる 笑)

 

 ジルコ氏の「ロバート・エガース論」、いちいち頷きながらヲタク、読んでしまいました。そしてそして、エガース監督の待望の新作は、ドイツ人監督ムルナウによる史上初めての吸血鬼映画※『ノスフェラトゥ』(1922年)のリメイク❗この大傑作をエガース監督がリメイクするとなればもはや楽しみ以外の何ものでもない❗

モノクロの沈鬱な映像美と、美とグロと恐怖の融合‥‥ヲタクは大好きな映画で、無声映画ベスト3を選ぶとしたら、『ノスフェラトゥ』『メトロポリス』『戦艦ポチョムキン』かな❓映画学科の学生とかなら、一度は見てるんじゃないでしょうか。


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※現在発表されているエガース版『ノスフェラトゥ』のキャスト。左からビル・スカルスガルド、リリー=ローズ・デップ、ニコラス・ホルトウィレム・デフォー、エマ・コリン。さすがエガース監督、オールスターキャストですね❤

 

 「エガース監督の好きな映画10選」、これもまたツボだらけなんですが、それについてはまた次回。(我が日本の誇る巨匠、黒澤明監督の『七人の侍』も入ってます)

 

★今日の記事の元ネタはコチラ❗🔻🔻🔻🔻🔻🔻