オタクの迷宮

海外記事を元ネタにエンタメ情報を発信したり、映画・舞台・ライブの感想、推し活のつれづれなどを呟く気ままなブログ。

イングリッシュ・ガーデンに癒やされたい〜映画『マイ・ビューティフル・ガーデン』(2016)


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 UNEXTで『マイ・ビューティフル・ガーデン』(2016)鑑賞。先日、映画『真夏の夜の夢』をご紹介しましたが、湿気の多い日本の夏に苦しんでいると(^.^;、カラリとした欧州の、鬱蒼とした森の緑や花々、木々の間を流れるせせらぎ等に癒やしてもらいたくなります。

 

 誕生して間もなく森の木陰に捨てられ、養護施設で育ったベラ・ブラウン(ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ)。彼女はそのトラウマから、予測不能で自分の思い通りにならない自然や、野生の植物を恐れるようになってしまいます。何事にも厳格なルールを求めるようになった彼女、図書館職員として自立してからはその傾向がさらに顕著に(^_^;)

 


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※ヒロインを演じるのは、ご存知『ダウントン・アビー』で、身分違いの恋を貫く悲劇の令嬢レディ・シヴィルを演じたジェシカ・ブラウン・フィンドレイ。今作品では森に捨てられていた孤児の役なんですが、彼女の品のある佇まいが、(もしかして没落貴族の落し胤……❗❓)なーんて妄想を掻き立てます(笑)


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 自ら決めたルールに従って粛々と日々を送るベラでしたが、彼女が暮らす借家の庭だけは例外。自然恐怖症が高じてベラが手入れを怠って完全放置したため(^_^;)雑草は鬱蒼と茂り、まるでお化け屋敷のよう。ある日、家主のオブライエンが彼女のところにやって来て、「庭をこんな酷い状況にしているのは法律違反だ❗一ヶ月以内にまともな庭にしなければ出ていってもらう」と言い出したものだから、さあ大変。勇気を振るって草刈りを始めたベラですが、草に触るのさえ恐怖に震える彼女のこと、上手くいかないのは当たり前。……途方に暮れる彼女に助け舟を出してくれたのが、隣に住む偏屈な老人アルフィートム・ウィルキンソン)と、アルフィーの家政夫ヴァーノン(アンドリュー・スコット)。果たしてベラは、彼らの助けを借りて、期日までに美しい庭を作り上げることができるのでしょうか……❗❓


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 自分のルールを守り、閉じられた世界で生きてきたベラがその世界から歩み出て、アルフィーやヴァーノンと交流し、そして何よりも苦手だった自然との触れ合いを通して、生きる真の目的を見出していくところが1番の見どころ。ヒロインのベラをはじめとして、登場人物全員がどこか風変わりで、世間の一般常識とは少しずつズレているキャラなのが、ヒネクレ者のヲタク好み(笑)
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※皮肉屋で頑固者なアルフィートム・ウィルキンソン…右)と、シングルファザーの家政夫ヴァーノン(アンドリュー・スコット…左)のユーモア溢れる毒舌合戦がめっちゃ面白い。この2人、法廷ドラマ『否定と肯定』でも共演してましたよね。あの時は2人ともすご腕の弁護士役で、今回とは全く違う役どころだったけど……。その時々の役柄に憑依できる俳優さんってやっぱりスゴイ❗


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 何よりも作品に登場するイングリッシュ・ガーデン、咲き誇る花々や樹木がそれはそれは美しくて、観ているだけで心が癒やされます。……しかしここでちょっと心に留めておきたいのは、ベラとヴァーノンはアイルランド人(映画の冒頭、2人でゲール語を話す場面アリ)、アルフィースコットランド人(好物がブラッド・ソーセージなので、たぶんそう(^.^;)の設定だということ。非常に凝った作りの、どちらかといえば人工的な派手さがあるイングランドの庭に比べると、スコットランドアイルランドの庭は、より自然や野生の生態系を生かした造りになっているような気がします。この作品を観てヲタクは、やはりイングリッシュ・ガーデンをテーマにした映画※『フラワーショウ❗』を思い出しました。

※英国最大のチェルシーフラワーショウに、できるだけありのままの自然と野生植物で造った庭で挑んだ、造園家で自然保護活動家のメアリー・レイノルズの実話を映画化した作品。


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※ベラの淡いロマンスのお相手、風変わりな発明家のビリー。演じるのはジェレミー・アーヴァイン(『戦火の馬』)

 

 それにしても映画って、ホントに素敵❗日本にいながらにして、ペルシカリア、ニコチアナ、サルビアにベゴニア、バーバスカム、マツヨイグサクレマチス、スイートロケット、そしてトリカブトやジキタリスまで(毒を持つ花々があんなに美しいなんて❗)……蠱惑の花々が咲き乱れるイングリッシュ・ガーデンまでひとっ飛びなんだもの(笑)

 

★今日のオマケ

この映画、ヲタクの熱烈推し、ジャック・ロウデンの共演相手のオンパレード♥

 トム・ウィルキンソンアンドリュー・スコットがすご腕弁護士役を演じた映画『否定と肯定』では、ジャクロは新米弁護士役で出演してますし(チョイ役だけどね(^.^;)ジェレミーアーバインは、『ベネディクション Benediction』(ジャクロが第一次世界大戦後の実在の反戦詩人ジークフリート・サスーンを演じた)で、純朴なビリー役とは真逆の蕩児を演じております。

 そしてそして、ジャクロがあのザ・スミスのフロントマン、モリッシーの若き日を演じた『イングランド・イズ・マイン〜モリッシーはじまりの物語』で、ジェシカ・ブラウン・フィンドレイはモリッシーに大きな影響を与える美大生リンダ役を演じてます。


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※『イングランド・イズ・マイン』のジャック・ロウデン(左)とジェシカ・ブラウン・フィンドレイ(右)。ジャクロの化けっぷりも見事でしたが、ジェシカに至っては、もはや本人とは認識できません(笑)