オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

忙しい年末、Happyになりたかったらコレ見るべし〜『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』


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※ウォンカが初めて開いたお店の中央にはでんとお菓子のサクラの木が。ウォンカは日本で採れたサクランボを使ったチョコがお得意。なにげにジャポニズム

 

 発明の天才であり、しかもチョコレート作りの超絶技術を有する職人ウィリー・ウォンカ(ティモシー・シャラメ)。チョコレート作りを教えてくれた今は亡き優しい母(サリー・ホーキンス)の言葉〜ステキなことはみな、夢見ることから始まる。夢が叶った時、ママはあなたの側に現れるよ〜を今も信じている彼は、自分のチョコレート店を開くべく、チョコレートで世界一と言われる街「グルメ・ガレリア」へ勇躍やって来ました。ところが街に足を踏み入れた途端に、彼の夢は粉々に打ち砕かれます。街は3人の強欲なチョコレート業者が製造販売を独占しており、新規開店は禁じられ、甘いものに目がない警察署長や神父は大量のチョコレートを賄賂に贈られて彼ら3人の言いなりになっている始末。街頭でチョコレートを売ったウォンカはたちまち警察に目をつけられ、おまけに宿の強欲な女主人(オリヴィア・コールマン)に法外な宿代をふっかけられ、借金のカタに不当な労働を強いられることとなり……。

 

 次々と襲い来る厳しい現実。果たしてウォンカはそれを乗り越えて自身の夢を実現することができるのか❗❓

 

 元ネタがロアルド・ダールの「チョコレート工場の秘密」だけあって、ティモシー・シャラメのうっとりするような容姿と美声が醸し出すファンタジックワールドの裏には、社会の分断や、理想をちらつかせながら貧しい者を搾取する全体主義世界の矛盾に対して痛烈な風刺が潜んでおり、元ネタ同様、(これってけっこうホラーなんじゃない❗❓)といったシーンも😅現代の「ガリバー旅行記」ってところでしょうか。

 

 まずもってこの映画の見どころはキャスティングの妙❗ウォンカにシャラメを配したのは当然としても、ウンパ・ルンパ(ルンパランドに住む小人族。名産のカカオ豆をウォンカに持ち去られた為、仕返しに夜な夜なウォンカのチョコレートを盗みにやって来る)にヒュー・グラントを持って来るとはねぇ……誰も思いつかないよね。言ってみれば、子泣きじじいの役に佐藤二朗じゃなくって西島秀俊キャスティングするようなもんじゃん(笑)でもさすがヒュー、登場したとたんオーラが凄くて、さしものティモシー・シャラメもたじたじなんでやんした。ヒュー・グラントと言えば、ティモシーと一緒にこの映画のキャンペーンで来日した時にデーブ・スペクターのインタビュー受けてたのね。デーブさん、「この映画の舞台はロンドンですよね❓」って地雷踏んじゃって😅すかさずヒューがにこりともせず「違うんじゃないの❓どこか架空の国でしょ、それも全体主義のさ(おめーインタビューするなら、この作品の背景しっかり勉強してこいや❗とも言いたげ)」切り返して、あの毒舌のデーブさんが見るからに冷や汗かいてたのがおもしろかった。ヒュー・グラントって慇懃無礼で皮肉屋で鼻持ちならなくて、英国男のひとつの典型…って感じだけど、どっかのパーティで会ったらやっぱり近付いていきたいタイプ(⇐マゾか、じぶん 笑)オリヴィア・コールマンのゴーツクババァぶりも凄い❗アカデミー賞女優だからって「乙に澄まさない」トコがやっぱり好きだなぁ…この人。他にも、サリー・ホーキンスローワン・アトキンソン、マシュー・ベイントン、マット・ルーカス…と、英国の名優たちがズラリ。英国の俳優さんたちは大御所になってもコメディ演技を軽んじることなく、振り切った演技を披露してくれるから嬉しい😍


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※1度聴いたら頭から離れない「ウンパ・ルンパソング」。ヒュー・グラントはインタビューで「まさに悪夢だよ。僕は今でも(ウンパ・ルンパソングを)歌ってる。僕の子供たちも、子守たちもみんなだ。もうずっと」と呆然とした表情を作り、ティモシーを大笑いさせたそう(^.^;

 

 しっかしティモシー・シャラメは「プリンス・オブ・ハリウッド」と呼ばれるだけのことはある❗『君の名前で僕を呼んで』『レイニー・デイ・イン・ニューヨーク』『ストーリー・オブ・マイ・ライフ〜わたしの若草物語』など、愛が成就しない哀しい男を演じても、『DUNE  砂の惑星』でどんなに血と砂に塗れても、いつでも、どんな時でも、色気ダダ漏れ(笑)今回ももちろんそう。彼、来日した時のファンに対する神対応が話題になってたけど、ホンモノの王子様は博愛主義、絶対に人を傷つけるようなことはしない。(インタビューの時もヒュー・グラントに突っ込まれて目を白黒させてるデーブさんを優しくフォローしてたっけ)ママのことが大好きで人を疑うことを知らないウォンカ役、案外1番の当たり役かも。…でもなぁ、このエンジェルみたいなこの青年が、どこをどうしたら「チョコレート工場の秘密」(ヲタクはダールの原作は読んだが、ジョニデがウォンカを演じた映画は未見)のあの変人ウォンカになっちゃうのか、いまいちナゾである。


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※モノホン王子様は誰にでも平等に優しい。間違っても「帰れ、ブス❗」なんて言わない(笑)『レイニー・デイ・イン・ニューヨーク』ではちょっぴりご披露のその美声にビックリしましたが、今作ではたっぷり大サービス

 

 ともあれ忙しくて気持ちもギスギスしがちなこの年末、いっときでも「夢見るプリンス」ティモシー・シャラメに癒やされよう😍