横浜黄金町のミニシアター「ジャック&ベティ」で『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最後の愛人』鑑賞。
絶世の美男で「最愛王」と呼ばれたルイ15世。その王が最も愛したのは、極貧の家庭に生まれ娼婦同然の暮らしから持ち前の美貌と才気で貴族社会の階段を駆け上り、ついには王の公妾(公式の愛人)となったジャンヌ・デュ・バリー。彼女の栄光と没落、波乱に満ちた生涯を描いた作品です。
フランスの才女マイウェンがデュ・バリー夫人に入れ込んで脚本・監督・主役を務めたというこの作品。うん、わかるよ、彼女の気持ち。今ドキ自立した女子のトレンドは、フランスはマリー・アントワネットよりデュ・バリー夫人、英国はメアリ・スチュワートよりエリザベス一世、オーストリア・プロイセンはシシーこと皇妃エリザベートよりエカテリーナ二世だもんね。生まれながらに全てを与えられて富と栄光を享受したお姫さまより、自らの手で権力を勝ち取った成り上がりのほうがカッコいい。
※衣装担当はシャネルだそう。衣装を見ているだけでもタメ息が……。
かようにパワフルなマイウェン姐さんに相対するは、ジョニデ・ザ・カリスマ。権力に媚びることや悪しき因習を嫌い、自分自身にウソをつくことを嫌う自由奔放なデュ・バリー夫人をだからこそ面白がり、愛するようになる度量の大きな一人の男を巧みに演じています。
式典の時の姿は白塗りにモリモリカツラ、唇にはルージュ姿で、『女王陛下のお気に入り』(ヨルゴス・ランティモス監督)でニコラス・ホルトを初めて見た時と同じくらい気持ちが萎えたけど(マイナーすぎる比喩ですみません 笑)、そこはそれサスガのジョニデ、ストーリーが進むにつれ、彼の演技にどんどん引き込まれることに。ジョニデというと、ちょっとヒリヒリしたエッジーな演技が特徴でしたが、こういう悠揚迫らぬキャラもいけるんだねぇ……。彼の新たな一面を見て、目の覚めるような想い。
台詞はもちろん全編フランス語。しかも18世紀のフランス語!!
フランス語は元々少し話せるけれど、発音を正確にするためにコーチに特訓を受けるようなことはしなかった。それよりも出来るだけ自然な形で言葉が口から出てくように共演者の演技を集中して観察するようにした。おかげで即興で言葉を弄び、相手と会話を楽しむ自由を手に入れることができたね。
サスガの余裕です(^_^;)
フランス語って元々音楽的な言語(ヲタクはワケあって高校3年+大学2年フランス語を学びましたが、悲しい哉殆ど身に付いておりません 笑)で、ジョニデは音楽やる人だから修得も早かったのかも。
今度はフランス語で、エッジーなジョニデに立ち戻って頂いて、『死刑台のエレベーター』や『サムライ』みたいなフィルムノワールはいかがかしら?もっとセクシーさが増すと思うわ٩(♡ε♡ )۶