オタクの迷宮

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あのファルハディ監督最新作「誰もがそれを知っている」(ジャック&べティ)

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  アスガー・ファルハディ監督といえば一昨年、脚本・監督を手掛けた「セールスマン」でアカデミー外国映画賞を受賞した時、トランプ大統領の政策に反発して主演女優のタラネ・アリシュスティ(とっても可愛くて可憐なイランの女優さんです😻)と共に授賞式をボイコットしたことで一躍日本でも有名になりました。今、アメリカとイランの関係は、監督がボイコットした当時と比べものにならないほど悪化し、一触即発の危機を迎えていますが…😭

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  「セールスマン」は、夫の留守中に妻が見知らぬ男に乱暴され、重傷を負ったことから次第に二人の仲が綻び始め、イラン社会における女性の立場の弱さや住宅難、隣人同士の関係など様々な問題が次第に浮き彫りになっていく心理サスペンスでした。

 

 これまでイランという国、そしてイランの人々が直面する問題を描き続けてきたファルハディ監督ですが、 今作品は一転して、舞台はスペインの田舎の小さな村。人々は生まれた時からお互いを知っているような、閉鎖的で、人間関係が密接な社会。そこに、アルゼンチンに嫁いだラウラ(ペネロペ・クルス)が、妹の結婚式に出席する為、十代の長女イレーネと幼い息子ディエゴを連れて戻って来るところからドラマが始まります。温かく迎え入れる親族と、ラウラの幼なじみのパコ(ハヴィエル・バルデム)をはじめとする村人たち。

 

  一見親密で平和な親族、村人たち。ところが結婚パーティーの最中にラウラの娘イレーネが何者かに誘拐されたのをきっかけに、それまで抑圧されていた人々の、様々な欲望や憎悪が次第に露わになり、ムラ社会に隠されていた秘密までもが、スペインの夏の強烈な太陽の下、次々と暴かれていきます。

 

  ペネロペ・クルスハヴィエル・バルデムは実際の夫婦で幼なじみ同士を演じていますが、さすが息もぴったりな演技。ペネロペはいつもながら情熱的で、決して典型的な美人ではないのに魅力的な女性を演じています。かつてトム・クルーズが彼女に夢中になったのもむべなるかな(笑)

 

 一方、ハヴィエル・バルデムは、粗野だけれど心の奥底に優しさを秘めた不器用な男を好演。決してイケメンではないんですが、これまた魅力的なんですよねぇ😅

 

  スペインの太陽のように熱く濃密な人間関係の中、繰り広げられる息詰まるサスペンス。製作する映画という映画が、各映画賞総ナメのファルハディ監督。サスガ❗な一作です😊

 

(オマケ)

この夫婦、結婚のきっかけになったのがウッディ・アレン監督の「それでも恋するバルセロナ」ペネロペは恋愛に盲目な超激情型の女性を、ハヴィエルは何人もの女性の間をフラフラするプレイボーイの役。ウッディ・アレン監督の作品って、「マンハッタン」や「ミッドナイト・イン・パリ」「アニー・ホール」など、ちょっとシニカルで都会的なイメージがありましたが、「それでも恋するバルセロナ」は熱くて濃密で、出演者によってこうも雰囲気が違うものかしら❔って思いました😅スカーレット・ヨハンソンも出ていますからね。なんかムンムンしてましたよね、スクリーンの画面が(笑)