オタクの迷宮~映画と舞台と音楽と Chaos-α

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

フランス式個人主義~『冬時間のパリ』

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冬のパリ~💓パリがパリらしい季節。ステキな題名に惹かれて、渋谷のBunkamuraル・シネマに行って来ました😃ジュリエット・ビノシュが主人公の奥さん役だし。

 

 主人公は大手出版社の編集長アラン(ギョーム・カネ)。妻のセレナ(ビノシュ)は舞台を中心に活躍する女優で、二人の間には可愛い小学生くらいの男の子もいる。結婚歴はすでに20年。しかし、驚くべきことに、二人にはそれぞれ愛人がいるんですね。夫には若いやり手の部下、妻には、自らの恋愛をテーマに私小説を書く小説家のレオノール(ヴァンサン・マケーニュ)。しかもその小説家を今まで主に担当してきたのが他ならないアランという複雑怪奇な関係(笑)さらには、政治家の秘書であるレオノールの妻も交えて、週末には互いにお酒を楽しむ友人関係でもあるという…😲

 

  そんな彼らの交流が、まるでそれが予定調和のごとく淡々と描かれていきますが、我々日本人からしたらかなりインパクトがありますなぁ(笑)でも、個人主義が徹底しているフランス人の面目躍如、恋愛感情は個人の問題であって、たとえ親子、夫婦であっても、それを責めたり、自分の思い通りにする権利はない…そんなポリシーがうかがえるような気がするのは深読みしすぎでしょうか❓😅自分自身がそれに耐えられなくなったら、その時点でもう、離婚になるわけ。フランス人にとって、たとえ結婚していても、恋愛はあくまでも個人の問題であって、倫理道徳に反する、いわゆる「不倫」という感覚とはちょっと違う。映画の中の二人もお互い愛人がいてそちらのほうに心が傾きつつあり、特にセレナのほう、最近は「離婚」の2文字が脳裏を掠めない…わけでもない、という微妙な状況😅

 

  マクロン現フランス大統領がブリジット夫人の元教え子で、夫人のお嬢さんのクラスメートだったという事実は、一時日本のワイドショーがセンセーショナルな話題にしてましたね😅たぶんフランス本国では、大統領のプライベートなんて興味の対象外だったと思いますが(笑)そのお嬢さんはマクロン大統領と仲が良く、選挙の際はスタッフとして活躍した…というのもいかにもフランス的😅(私のクラスメートと恋愛なんて、ママなんて不潔❗絶対反対だわ、うぇーん)とかいう反応はなかったんでしょうか。親の恋愛も「個人の問題」として心理的に処理できたのだとしたら、フランス人の子供って肝が据わってるな(笑)

 

  アランは、自分の担当している作家のレオノールと妻のセレナが関係を持っていることを薄々気づいていますが、気づかぬそぶり。しかし、レオノールの最新作を自分のところで決して出版しようとはしません。なぜなら、その小説には、主人公と、セレナとおぼしき女性との情事が赤裸々に描かれているから。「なぜ出版のOKを出さないの❓」と尋ねるセレナに、妻の目を覗き込みながらアランは静かにこう言うんですね。「相手の女性の描き方が僕は気に入らないんだ。女性に対する尊敬が見られない。だから出版したくない」…と。さあ、その夫の言葉を聞いて、セレナの下した決断は…❓

 

  別に大きな事件が起きるわけじゃない、淡々と進む会話劇なんですが、夫婦って何なのか、自分自身のポリシーや生き方を大事にするからこそ相手をも同じように尊重すべきであるという真の個人主義について、考えさせられる1本です😃夫婦、パートナー、恋人と一緒に見て、感想を話し合ってみるのも面白いかも😉


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(From Pixabay)