オタクの迷宮~映画と舞台と音楽と Chaos-α

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ヒエロニムス・ボスの世界観~AXNの東欧ミステリー『ラビリンス』

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(ボスの絵画が展示されているウィーンの街~From Pixabay)

 AXNミステリーでチェコのドラマ『ラビリンス』(1~7話)

 

  2015年製作の、かなり以前のドラマなんですが、北欧ノワール(ドラマ『ザ・ブリッジ』映画『特捜部Qシリーズ』『湿地』『ドラゴンタトゥーの女』など)を彷彿とさせる、人間の心の深奥を抉り出すようなドラマ。北欧では、ミステリーというのは、社会に潜む様々な問題を提起する一つの手段だと言われますが、このドラマにも、チェコスロバキア両共和国(一つの国チェコスロバキアから、民族問題により2つの国に分かれた)における未成年の薬物摂取や、ヘイト、民族主義、セレブリティの傲慢さ、貧富の格差化、カトリック教会の非寛容性等々…が透けて見えるしくみ。

 

  チェコで、オランダ・フランドル派の異端の画家ヒエロニムス・ボス(ドイツ読みだとボッシュ)の絵画『最後の審判』を模倣したと思われる残虐かつサイコな連続殺人事件が起き、その謎を同僚と解決に乗り出した刑事レメシュ。スロバキアでも同様な事件が起きたという報を受け、担当のスロバキア人女性刑事タマラと共同捜査を始めるが…というのがお話の発端。しっかし北欧・東欧ノワールに登場する刑事たちはほぼ全員家庭崩壊してるな😅刑事という職業を選んだら最後、マトモな家庭生活は(特にヨーロッパの風土では)送れない…という問題提起なんだろうか(-ω- ?)

 

  勧善懲悪のハリウッドの刑事モノとは違って(ブラピの映画『セブン』とかは例外として)、(えっ❗❓主役級の登場人物がこんな目に遭うの❓じつはこの人こういう人だったの❓)っていうイヤミス北欧ノワール系のあるあるは、この東欧ノワールにも当てはまりますね。暗黒のどんでん返しの連続で、最後まで気が抜けない😅一見関係のなさそうな人物たち、様々な時系列が混乱した(笑)エピソードがそれこそラビリンス(迷宮)のように絡まりあい、悲劇的な結末に突き進んで行きます((( ;゚Д゚)))

 

 そしてオープニングの、ボスの『最後の審判』をオマージュした動画が素晴らしい❗中身見る時間がなかったらオープニングだけでも見てほしいっす(笑)AXNミステリーチャンネルのHP見に行ったら、今のところ放映の予定はないそうですが、繰り返し同じ番組を再放送しているので、北欧ノワール系のミステリーがお好きな方は次回の再放送で、ぜひ😊

 

  オマージュの対象となった画家ボス、ドラマではストーリーのプロット上その絵画のサイコパス的な残酷さが強調されてますけど、ヲタク的には、ボスって反面、奇々怪々、不思議なユーモアがあるんですよ。どちらかと言えば、『マザーグース』や『不思議の国のアリス』みたいな。キッチュの極み、ウェス・アンダーソンの祖、みたいな(笑)

 

  ベルギーに住んでいた頃、ブルージュのグルーニング美術館で『最後の審判』見たことあるんですけど、じつはボスの『最後の審判』って2つあって、『ラビリンス』でオマージュされたのはもう一つのほう。ウィーンの造形美術アカデミー絵画館に飾られているほうですね。

 

『ラビリンス』第2シーズンが撮影中ってどこかで読んだんですが、続報ありませんねぇ…😢まったく、どうしてこんなにマイナーなケモノみちにばかりを進んでしまうのか、じぶんでも呆れるばかりです(笑)