オタクの迷宮~映画と舞台と音楽と Chaos-α

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

MX4Dで『ダークナイト』(クリストファー・ノーラン監督)を体感する

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TOHOシネマズMX4Dでバットマンダークナイト三部作(いずれも、監督は巨匠クリストファー・ノーラン)のうちの2番目の作品にあたる『ダークナイト』鑑賞。そもそもMX4Dとは何ぞや❓Wikiの説明を引用してみますと…

 

MX4D(エムエックスフォーディー)は、アメリカ合衆国のMediaMation社によって開発された4D映画システムであり、座席の動き、臭い、水などで映画の演出を行う。座席が映画の内容に合わせて様々な方向に傾斜したり、エアーブラストが用いられたり、触覚を感じさせる演出が行われたりと様々な技術が使用されている。主にTOHOシネマズの一部の劇場のスクリーンで導入されている。

…だそうです😊

 

これ、マーベルの『マイティ・ソー バトルロイヤル』の時に初体験したんだけど、座席が動いてずり落ちそうになるわ、水は飛ぶわ空気はかかるわ(まるで眼圧検査😅)でそっちに気がとられてストーリーにいまいち入り込めず😅これじゃぁ本末転倒だろう…ということで、あれ以来ご無沙汰でしたが、今回は飽きるほどリピしてる『ダークナイト』、しかもクリストファー・ノーラン監督自身が、『ダークナイトトリロジーIMAXや4Dで見てもらうことを目的として作った』みたいなことをどこかで発言していた…なんて聞きかじったものだから、おー、クリスそうだったのね(⬅何様❓😅)、早く言ってよ…てなわけで、即座に前言撤回(笑)そして結論…

 

監督の言う通り、『ダークナイト』はMX4Dでこそ見る映画です❗

(我ながら変わり身が早いね=笑)

 

 冒頭、悪の権化ジョーカーと銀行でマシンガンを撃ちまくる、バットマンと一緒に香港のスカイスクレイパーの上からダイブする、ビルを大爆破、バットポッドゴッサムシティを縦横無尽にカーチェイス…等々、臨場感ハンパない😮

 

  …それにしても、アメコミの典型的ヒーローだったバットマン(ヲタク小学生の頃、『バットマ~ン、チャラチャラチャラチャラ~🎵』っていうTVドラマ夢中で見てましたからね。ロビン少年と一緒に悪者バカスカやっつけるヤツ)を、その名もダークナイト(闇の騎士)として造型し直したノーラン監督の素晴らしさよ。正義を追い求めるあまりに時に周囲が見えなくなり、本作では、お金と権力にモノを言わせてゴッサムシティの住民全員の携帯電波を傍受する…などという暴挙に出てしまう。ヒロイズムにチラチラと見え隠れする、バットマンの狂気。この二律背反の怖さを表現できるのも、クリスチャン・ベールの卓越した演技力あればこそ。

 

  ヒーローがこれだけスゴイと、相対するヴィランも同じ位パッショネートで、圧倒的な悪の魅力に満ち溢れていなければ、映画として成立しない。しかし、この映画のジョーカー役、ヒース・レジャーの、まるで何かに取り憑かれたかのごとき神演技は、時に当代一二を争う演技派クリスチャン・ベールをも凌駕する勢い。

 

  この映画の、ノーラン監督によるジョーカーの描き方がまたね、見事なんです。彼の目的は、お金でもない、地位でも名声でもない。人間が死の淵に立たされた時、「彼のちっぽけな良心や正義など、微塵になって吹き飛ぶはず」と信じて疑わない究極の悪の哲学者ジョーカーは、あらゆる手を使って、人びとの正義の仮面を引き剥がし、悪の道に引きずり込もうとします。命懸けで手に入れた札束の山に火を放ち、高笑いするヒース・レジャーの、ゾッとするほど鬼気迫る演技。この映画の撮影直後に急逝した彼は、もう既に、迫りくる死神の足音に気づいていたかのよう😢

 

  これがひと昔前の作品だったらきっと、ジョーカーはゲイリー・オールドマンの役だったでしょうね。伝説のパンクロッカー、シド・ビシャス役で彗星のように現れて以来、人間の抱える闇~精神のダークサイドを演じ続けた彼。私生活でもさまざまな苦難を乗り越えて(スキャンダルも多かったよね😅)、今ではどこか枯れた、達観した境地に至ったかに見えるゲイリーは、『ダークナイト三部作』で、ヒーローにはなれないけれど、平凡な一市民として、ひたすら正義を貫くゴードン警部を演じています。

 

  薬物の過剰摂取で、若くして逝ったヒース・レジャー。あのままキャリアを積み重ねていけば、第2のゲイリー・オールドマンに、いや彼を超える存在になれたかもしれないのに…。日本でも、三浦春馬さんの悲しいニュースが報道されたばかりですが、将来を嘱望された煌びやかな若い才能が突然消えてしまうことほど悲しいことはありません😢

 

  どうか、生き急がないで。急いで結論を出さないで。とにかく命さえあれば、(いろいろあったけど、生きてるって悪いことじゃないな)って思う瞬間が必ず、ある。

 

  映画館からの帰りみち、ぼんやりとそんなことを思うヲタクなのでした。