Netflixの新作『ウェディング・シーズン』観賞。人種のるつぼニューヨークのインド人社会を舞台にした、心暖まるロマンティック・コメディです。
インド人のアメリカ移民二世アイーシャ(パラビ・シャーダ)は、社会進出を目指す東南アジアの女性たちをサポートするため、ニューヨークの少額投資企業で働いています。スポンサーを見つけるため張り切ってプレゼンをするも、なかなか上手くいきません。プレゼンを聞いたシンガポールの投資家から「あなたのヴィジョンが全く見えてこないプレゼンだったわ」とこき下ろされてくさっている彼女に、女性にとって一番の幸せは結婚だと信じて疑わない母親はやきもき。妹が先に結婚が決まってしまったからです。母親はアイーシャに黙って、婚活サイトに登録してしまいます。そこで紹介されたのが、飛び級で16才の時にMITに入学したという秀才ラヴィ(スラージ・シャルマ)。アイーシャは母親からの圧を逃れるため、インド人社会での婚礼シーズンが終わるまで、贋の恋人になって欲しいと彼に頼み込みます。ラヴィは魅力的な青年で、仮の恋人とはいえ、アイーシャは次第にまんざらでもない気持ちに。しかしラヴィの私生活はいろいろと謎が多く、彼も彼の両親も何か隠し事をしているようで……❗❓
アメリカに移り住んだとは言え、両親たちのマインドは祖国を離れられません。カーストは厳然と存在するし、何よりも家族の絆やインド人社会における体面を重視します。(ラヴィの生き方も、私たちから見れば「スゴイじゃない❗」って称賛に値すると思うんだけど、彼の両親からするとバツなんだよねぇ。その辺りがお国柄)両親たちの気持ちを尊重しつつも、自分自身の納得する生き方を模索しようとする二人が爽やかな感動を呼びます。
それにしてもインド人社会って、結婚式に呼んだり呼ばれたり大変だなぁ。部屋に張り付けた招待状の数がトンでもないことになっているんですけど(笑)ラストはボリウッドの伝統に則り❓キャスト全員のダンスシーンが楽しい💃💃
アメリカのメジャーな製作会社の作品で、オールインド人キャストってなかなか珍しいと思うのですが、ちゃんと先輩がいました❗……そう、『クレイジー・リッチ❗』(2018)
レイチェル・チュウ(コンスタンス・ウー)は、ニューヨーク大学で教鞭を取る中国系アメリカ人。恋人の留学生ニック・ヤン(ヘンリー・ゴールディング)に誘われ、彼の友人の結婚式に出席するため彼の実家のあるシンガポールを訪れたレイチェルはビックリ仰天😮なんと彼は、シンガポールを牛耳る不動産王の御曹司、超ド級のお金持ち(クレイジー・リッチ)だったからです。
アメリカで生まれ育ったレイチェルは外見は中国人でも頭の中身はまんまアメリカ人。自立すること、実力で生きていくことは彼女にとって当たり前。世襲制、個人より家を重んじる世界で生きてきたニックには、そんなレイチェルが憧れなんですね😊……でも、一方で彼の母親(ミッシェル・ヨー)から見れば、シングルマザーの家庭で育った彼女が甚だ気に入らない。「どこの馬の骨だかわからないのに……」っていう言い草です😅
『ウェディング・シーズン』ではマイルドに描かれていた、移民の初代と二世三世のアイデンティティのせめぎ合いが、こちらの作品ではけっこうガチでビビりました😅旧世代の代表として若い恋人たちの前に立ちはだかるミッシェル・ヨーの演技に迫力がありすぎたせいでしょうか(笑)
主役の二人やミッシェル・ヨー以外にも、今ハリウッドを席巻しているアジアン・パワーの代表選手が総出演でしたねぇ。ジェンマ・チェン(『ふたりの女王~メアリーとエリザベス』、『エターナルズ』、『ドント・ウォーリー・ダーリン』)は既に大スターの片鱗を見せていたし、何と言っても稀代のコメディエンヌ、オークワフィナですよ❗場をわきまえたぶっ飛び演技には定評のある彼女、主人公のマブダチ(『シャン・チー』など)を演らせたら当代随一❗……と思うのですが、いかがでしょう❓😊
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