U-NEXTで、韓国映画『警官の血』鑑賞。
ある夜、警官が殺害される事件が発生。その裏事情を知る内部者として浮上したのが、署内で圧倒的な検挙率を誇る、広域捜査隊のカリスマ刑事パク・ガンユン(チョ・ジヌン)。彼は高級マンションに住み、ベンツを乗り回し、莫大な資金を使って、裏社会の情報屋たちを操りながら、違法ギリギリの捜査を繰り返していました。以前からガンユンの捜査方法に疑問を抱いていたファン・イノ監察官(パク・ヒスン)は、新米刑事のチェ・ミンジェ(チェ・ウシク)に白羽の矢を立て、彼の内偵捜査を命じます。ミンジェは少年時代、やはり警官だった父の殉職現場に居合わせたトラウマを抱えていました。イノ監察官は、もし内偵捜査が成功すれば、ミンジェに父の死に関する極秘の調査報告書を見せると約束します。ミンジェの父親が殉職した時、彼の部下だったガンユンは、ミンジェの警官としての有能さを見抜き、助手としてあらゆる現場に連れていきます。ガンユンの強引な捜査に時に反発しながらも、時折見せる彼の、部下思いの優しさに次第に惹かれていくミンジェ。しかしそんな時、世界的規模の麻薬製造を検挙するため、ガンユンは遂に自分の警官生命と引き換えに、超えてはならない一線を超えようとします。それを事前に知ったミンジェは、危険も顧みずガンユンを止めようと動きますが…❗
原作は、「このミステリーが凄い❗」にも選ばれた、佐々木譲の同名の警察小説。作者の佐々木氏は映画化に際して要望を事前に聞かれ、脚本にも眼を通し、撮影中は訪韓してイ・ギュマン監督やチョ・ジヌンと対談したそう。ヲタクは原作は未読ですが、日本の小説が原作とは言われなければわからないほど、見事に韓国映画になってましたね。…というのは、ほら、韓国の警察モノというと、裏社会の暗黒を描いた、暴力描写が生々しい「韓国ノワール」がすぐ思い浮かぶじゃないですか。なので、従来のパターン通り、ガンユンが目的の為なら手段を選ばない警官なのではないか……?と、見ているこちらもミンジェ同様、彼に対する疑惑がむくむく湧いてくる。それって、監督が仕掛けた一種のトリックな気がするなぁ。深読みしすぎかな?(笑)
かわゆい顔して機転が利くし(けっこう腹黒いところもアリ)、腕っぷしも強い新人刑事役のチェ・ウシク(『パラサイト 半地下の家族』の可哀想なお兄さんね ^^;)と、無表情で心の奥底をめったに見せないカリスマ刑事役のチェ・ジヌン(『お嬢さん』)が何しろ魅力的で、親子ほど年の違う二人が次第に心を通わせて、いいバディになっていくところが見どころ。こういう警察モノ、探偵モノは、魅力的なバディが登場すると、面白さが倍増するんだよなぁ。
原作はシリーズ化してないのかしらん。今回は紆余曲折を経て、二人の「新たなバディ誕生❗」ってシーンで終わったので、また新しい作品で二人を見たいものです。