オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

今この時代だからこそ〜映画『沈黙の艦隊』


f:id:rie4771:20230929143412j:image

 横浜駅直結のシネコン「Tジョイ横浜」にて、映画『沈黙の艦隊』鑑賞。

 

 日本近海で、海上自衛隊の潜水艦「やまなみ」が、アメリカの原潜に衝突して、沈没。艦長の海江田(大沢たかお)をはじめとする全乗員 76 名の死亡をアメリカ側が確認したと、マスコミは一斉に報道します。しかし実は、乗員は沈没直前に脱出していました。彼らは、日米が協力して開発した高性能原子力潜水艦シーバットの乗組員として選抜されており、事故は彼らがシーバットを極秘裏に操艦する為の偽装工作だったのです。シーバットは日本が建造費を提供したにも関わらず、所属は米艦隊という不平等な立場を余儀なくされていました。艦長に任命されたのは、海自一の操艦技術を持つとされる海江田二等海佐。ところが海江田は初の潜航中、米国の指揮を無視し、同船していたアメリカの海軍士官を道連れに、深海域へと逃亡し、消息を断ってしまいます。乗艦前後の海江田の行動から、彼が出航前に秘密裏に核弾頭を搭載したのではないかと疑う米国側は彼をテロリストと認定、第7艦隊を集結させてシーバットを挟み撃ちにし、撃沈を図ります。一方防衛大臣夏川結衣)をはじめとする日本側は、日本の防衛力強化計画の最先鋒たるシーバットを撃沈せまいと、アメリカより先にシーバットを捕獲しようとします。その追跡と、海江田の説得役に任命されたのが、海自のディーゼル艦「たつなみ」の艦長・深町洋(玉木宏)でした。彼は以前、海江田の副長を務めたことがあり、その時に起きた海難事故で信頼する部下・入江(中村倫也)を失っていました。事故以来、海江田の非情さに不信感を抱いていた深町は、海江田の狂気ともとれる反逆行為を阻止しようと、副長の速水(水川あさみ)やソナーマンの南波(ユースケ・サンタマリア)ら「たつなみ」の乗組員と共に、懸命にシーバットを追いかけますが……。


f:id:rie4771:20230929165427j:image

※軍服フェチ(小声)のヲタクとしてはこの映画、大沢たかお中村蒼玉木宏…と、海自制服のイケメン祭りでたまりましぇーん。個人的に夏の白服のほうがより好きなので嬉しい😍

ヲタクの父も、制服を着ると途端にイケメン化してましたっけ。父みたいなタダのオジサンでもイケメンになっちゃうんだから、元々のイケメンたちが制服着たら、そりゃもう…(笑)

 

 30年前に発表された漫画が原作だそうですが、最先端の映像技術を駆使した戦闘場面はさすがのド迫力、やはり今まで実写化を待った甲斐があり、「満を持して」感はハンパないです。もちろん、主演の大沢たかお氏がインタビューで答えているように、「戦闘場面が凄かった……で終わる作品ではない」❗

 


ヲタクの父は海軍兵学校76期(学生時に江田島終戦を迎えたので、戦争には行かなかった。行っていたら確実にこの世にはいない)⇛戦後は海上自衛隊というガチなコースを辿った人間。父の背中をずっと見てきたヲタクとしては、海江田の心情はかなり理解できる。


f:id:rie4771:20230929170154j:image

※海士のセーラー服姿の中村倫也。彼は絶対セーラーだよね😍制作者側もわかってらっしゃる(笑)

 

 自衛隊員は入隊時、宣誓をさせられるんですね。

は、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、技能を磨き、政治的活動に関与せず、強い責任感をもって専心職務の遂行にあたり、 事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえることを誓い ...

 

 とどのつまり有事には「命を捨てる」ってことですけど、それを隊員に宣誓させるにしては、憲法第九条の縛りがあるから、日本国の「平和と独立」を脅かすような侵略行為があったとしても、自衛隊には何の権限も与えられていない。総理(笹野高史)や防衛大臣官房長官江口洋介)、外務大臣(酒向芳)たちの議論がまとまらず迷走している間に海江田がどんどん米軍に戦闘を仕掛けていくのも、太平洋戦争後日本に課せられた徹底的なシビリアン・コントロールを打ち破ろう……という意思が垣間見れるのですが。ヲタクは原作を読んでいないから、海江田の本意はまだよくわからないんだけど…。

 

 でもそうすると、ラスト近くで海江田が深町に漏らした、世界国家の構想と繋がらなくなっちゃうんだよな……。ただ、日本の海自も他国の海軍も、海に出れば敵も見方も同じ海の男……と考えが根底にあるから、けっこうグローバリズム思想を持った人が多いんですよ。太平洋戦争中も陸軍は敵国語だからといって陸軍士官学校の生徒たちには英語を学ばせませんでしたが、海軍兵学校にはちゃんと英語の授業があったんですね。撃墜されて呉(広島)にパラシュートで降りてきた米兵の尋問に、海軍兵学校の予備教官と生徒が江田島から通訳の為に駆り出された……なんてこともあったみたいです。海江田も英語ペラペラだもんね。

 

 海江田の暴挙と見える行動の先には、果たして何があるのか❓今回観た限りではほんのプロローグ……って感じ(^o^;)「さあ、これからどーなるんぢゃ❓」ってとこで終わっちゃった(笑)大沢たかお氏は主演とプロデュースも兼任なさったようですが……。

 

まさかこれっきり、ってことはないよね❗❓(笑)