オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

Wニコラスのコンビ最高❗〜『レンフィールド』


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 U-NEXTにて『レンフィールド』鑑賞。

(開口一番)

映画館で見たかったよね、これ❗

 

……まっ、でもいいや。英国アカデミー賞スコットランド)で主演男優賞を受賞したのにもかかわらず、映画館はおろか動画配信もされないジャック・ロウデン主演の『Benediction』や『The Long Song』みたいな作品もあるし。ヲタクの推しは日本ではマイナーな俳優さんばかりだから、致し方ないことではある。


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※『レンフィールド』のロケ地となったニューオーリンズハイチから伝わったブードゥー教ネイティヴアメリカンの信仰、そしてカトリックが交じり合った独特の精神文化がある街と言われています。例えば多数の黒人奴隷を虐殺したと言われる「血塗られた貴婦人」マダム・ラローリー(1775~1800年代)や、ブードゥー・クィーンと呼ばれたマリー・ラヴォー(1801~81)ら、実在の人物ゆかりの場所では、今現在でも心霊現象が多発しているとか。ニコラス・ケイジ演じるドラキュラがここに居を構えたのも、宜なるかな

 

  さてさて、ヲタクのブログでも「海外エンタメNEWS」のカテゴリで度々ご紹介した『レンフィールド』。レンフィールドとは、ご存知ドラキュラこと血塗られた領主ヴラド公(ニコラス・ケイジ)に生き血を吸われて不死の命を得たR.M.レンフィールド(ニコラス・ホルト)のこと。原作では、ルーマニアから英国上陸を目論むドラキュラの罠にハマって彼の城に赴き、さんざんいたぶられた末に監禁されるロンドンの若い不動産会社の社員で、めっちゃ影が薄い存在なんだけど(ゲイリー・オールドマンが主演した『ドラキュラ』(フランシス・コッポラ監督)では、キアヌ・リーヴスが演じてたけど、やっぱり可哀想なくらい影が薄かった 笑)、今回はそんな彼にスポットライトが当たってます。2人は今アメリカはニューオーリンズの廃墟ビルに居を構えていますが、ニコラス・ケイジのドラキュラはグルメ❓なんだかかんだか、悪人の穢れた血は好きじゃないらしく(^.^;「修道女を連れてこい」だの、「バス一杯のチアガールがいい」だの、レンフィールドに無理難題を吹っかけます。ただのセクハラおやじやん(笑)しかしレンフィールドは最近、ドラキュラに心身共に支配されて悪行を重ねている自分にイヤ気がさし、ドラキュラに隠れてなんと※「共依存」の自助グループに参加中。(むろん、共依存の相手がドラキュラなんて言えるはずもなく、パワハラ上司って設定になってますが(^.^;)レンフィールドはドラキュラに生き血を吸われて不死の身となったものの、自身では血を吸わないっぽい。但し、戦う時のエネルギー源は「虫」で、「虫愛づる貴公子」ってわけ(笑)

アメリカには、アルコール、薬物、恋愛、ギャンブル…等、あってあらゆる依存症脱却のための自助グループが存在します。アノニマス(無名・匿名)の形式で行われ、本名を名乗る必要はありません。

 「君の話を聞いていると、依存しているのは相手のパワハラ上司なんだよ。君こそ素晴らしいパワーの持ち主なんだ❗」とグループの皆に励まされても、(ホントかいな❓)と、今いち自信が持てないレンフィールド。そんな彼ですが、街のレストランで強盗事件に遭遇、現場に駆けつけた巡査レベッカ(オークワフィナ)と共闘し、街のマフィアたちを撃退したことから、次第に意識が変化し始めて……❗


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※めっちゃ困ったちゃんなドラキュラ(ニコラス・ケイジ)にさんざん振り回されるレンフィールド(ニコラス・ホルト)ですが、実は…。

 

 ちょっと気弱で、人生に悩んでる万年青年があることをきっかけに変化していく設定は、もはやニコラス・ホルトの独壇場❗(『シングルマン』然り、『ウォーム・ボディーズ』然り、『マッド・マックス 怒りのデスロード』然り)その時に絶大なる効果を発揮するのが、彼の底しれない湖のようなブルーアイズ。自分の元を去ろうとするレンフィールドを何とか引き留めようと暴言を吐き続けるドラキュラ(共依存あるある ^^;)を見つめる時の彼の切なそうな表情ときたら😍(…ばったん⇐ヲタクが倒れる音)対するニコラス・ケイジのぶっ飛んだコメディアンぶりも最高❗しかし一方では強がりの中にレンフィールドに対する未練を滲ませて、サスガの演技でございましたことよ。このWニコラス、演技の相性めっちゃいい気がするなぁ…。今度はアクション映画のバディものとかで見てみたい。


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※この眼ですよ、この眼❗キリアン・マーフィとどっちが…って感じ。

 

 またね、レンフィールドが心惹かれるヒロイン・レベッカ役が当代随一のコメディエンヌ、オークワフィナなのが良かったよね。ステロタイプな美女じゃないとこが。A24の『フェアウェル』とか見ると彼女、シリアスな演技も巧いのがよくわかりますが、今作では殉職した警官である父の汚名をそそごうと奮闘する役柄で、様々なコメディ映画で鍛えた軽妙な演技は健在であるものの、強がりの中にふと見せる淋しげな表情が絶妙でございました。


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※清く正しく強いヒロイン・レベッカ役のオークワフィナ。レベッカとレンフィールドの「友だち以上恋人未満」なカンケイも◎❗

 

 なにせレンフィールドは数百年生きてる英国紳士なので、髪型も所作も服装もことごとく現代のアメリカから浮いてるとこがヲタク的にはツボ。(注・途中から、好きなレベッカに気に入られようと現代青年に変身する)レベッカに「名前、何だっけ❓」って聞かれ、優雅な所作で「ロバート・モンゴメリー・レンフィールドです」って答えるシーン、めっちゃ好き😍

 

 ドラキュラ伝説にイマドキの世相風刺を絡ませ、ハラハラ・ドキドキなアクションも満載。『死霊のはらわた』なみにグロくてスプラッターなシーンもあって(えー❗❓そりゃ、あんまりじゃないかい)と思ったけど、ラストにちゃんとどんでん返しがあるので安心してご覧下さい(笑)