今年の元旦にNumber_i『GOAT』のMVを見て、ダンス、ラップ、楽曲のあまりのハイクォリティに仰け反ったヲタク。彼ら自身が言うように、児玉裕一演出のオフィシャルMV、またその後配信されたダンス動画は極めて中毒性があり、仕事休みの日はついつい何度も再生してしまうのですが、何度も見ているうちに1つ気づいたことがあります。それは……
彼らの表情の豊かさと、シリアスとコミカルさの使い分けの上手さ。
冒頭、まるで『ブレードランナー』のようなディストピア的光景の中、大いなる野望を抱く3人の眼光鋭い若者たち。映画『RISE ライズ』(2005年)のキャッチコピー「踊ってるんじゃない、闘ってるんだ」を想起させる、身悶えするような激しいダンスを繰り広げた後は、場面は一転、彼らの夢が実際に叶ったのか、はたまた妄想の所産なのか、彼らはジョニデばりのセレブ男(平野紫耀)、『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』のマーティ・マクフライ(神宮寺勇太)、ツンツンヘアーにスタイリッシュなグラサンのカエルちゃんみたいなトリックスター(岸優太)にヘンシ〜〜ン!
僅か4分弱のMVの中で目を引くのは、彼らの変幻自在な身体表現と表情の多彩さ。ますますNumber_iに興味を持ったヲタクは、役者としての彼らに興味を持ったヲタクは、まず岸優太くん主演の※『Gメン』を見て、次に平野紫耀くん主演のドラマ『クロサギ』を視聴。
※『Gメン』の感想については別記事を書いていますので、もしよかったらお読みになって下さい。
※アクションシーンでも頭抜けた身体能力を見せつけた岸くん。…それにしても岸くんって指が長くて細くて……ピアニストの役とかもアリ?松本清張の『砂の器』とか。
※作中でも様々な人物になりすます詐欺師の役は、柔軟な演技力が身上の平野くんにはピッタリでしたね。滲み出る「人たらしな愛嬌」が、「この人になら騙されてもいい」って思わせちゃうんだな(^.^;
彼らの2作品を見て驚いたのは、彼らの抜群のセンス。『Gメン』はバリバリコメディなんだけど、岸くん演じる主人公は過去の出来事に囚われている設定で、明るい雰囲気の中にもふと、哀しげな表情を漂わせるその一瞬が何とも印象的だったし、反対に平野くんは「詐欺師が詐欺師を騙す」というダークなストーリー展開の中、張り詰めた緊張がふと緩む、コメディすれすれの瞬間があって、その緩急自在さは名人級でしたね。とかく日本では、シリアスで重苦しい演技が評価されがちですが、ヲタク思うに真の演技巧者には、松尾芭蕉じゃないですが、独特の※「軽み(かろみ)」がある気がするんです。岸くんと平野くんの演技には、確実にその萌芽があった。これから経験を積んでいけば、あと15年位すると、2人共名人級になるはず(断言)。
※庶民性、通俗性を高揚深化し、軽快、瀟洒(しょうしゃ)、直截、平淡、卑近などを芸術化すること。
また、2人に共通しているのは、表情の豊かさ+身体能力の高さ。演じるキャラに相応しい歩き方、呼び止められた時の振り返り方、食べ方……etc.があるわけですが、彼らは表情や声の出し方だけでなく、身体全体を使って演技しているんです。彼らを見ていると、演技もまたダンスと同様1つの身体表現だということがよくわかる。これから神宮寺くんの演技も見てみたいな。…そう言えば、音源化が決まった『GOAT』のジャケ写がどーのこーの…っていうくだらない記事(見出しだけ)見たけど、Number_iの3人は、アーティストとしても演技者とキメる時はキメる、しかしその直後に見せる何とも言えない抜け感、その変幻、緩急自在さが何ともスタイリッシュなんだよ!わかってないなぁ(笑)
Number_iはしばらくはアーティストとして音楽活動に注思するんですかねぇ。役者としても素晴らしい可能性を秘めた人たちだと思うから、いち映画ファンとしては、いつかどこかで……。3人一緒に刑事モノ……なんてのも楽しそう。
……こんなふうに考えてくると、Number_iの3人はダイヤモンドの原石だね。それもフローレス(FC)……ね❓人気者だけに、様々な毀誉褒貶に晒されることもあると思うけど、大丈夫❗
ダイヤモンドは砕けない by 荒木飛呂彦