オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

ユニバーサル・モンスター見・参❗『ドラキュラ〜デメテル号最後の航海』

 
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 桜木町駅前のシネコン「ブルグ13」にて、『吸血鬼ドラキュラ〜デメテル号最後の航海』鑑賞。昔懐かしユニバーサル・モンスターが久しぶりに見・参❗ってカンジの映画でした。

 

 1920年代〜1950年代にかけて、ドラキュラや狼男、アマゾンの半魚人にミイラ男、フランケンシュタイン、透明人間……etc.と、所謂「モンスター映画」や怪奇モノで一世を風靡したユニバーサル・スタジオ。2000年に入ってから、「夢をもう一度」…というわけで、愛すべきモンスターたちのリブート映画を作る気運が高まり、マーベルの向こうを張って「ダーク・ユニバース」構築計画に着手、満を持して『ザ・マミー〜呪われた砂漠の王女』(2017年)を世に問いましたが、あのトム・クルーズ様を主演に据えても…これが…コケちゃったんですね(^.^; ヲタク、個人的には見て面白かったけどなぁ…何でヒットしなかったんだろ。「呪われた王女」役のソフィア・ブテラもめっちゃ雰囲気あったし。ハムナプトラ・シリーズが大ヒットで『ザ・マミー』がコケたのはなぜ❓ヲタク的には全くもってナゾである(・・?

 

 ……とまあ、そんなこんなでしばらくナリを潜めていたユニバーサル・モンスターズですが、そこはそれ、しぶとい(笑)ユニバーサル、今度は王道のドラキュラで攻めてきました❗

 

 ご存知ドラキュラは、英国の作家ブラム・ストーカーが造型した吸血鬼の名前。映画の創始期から現在に至るまで、ドラキュラほど何度も映像化されたモンスターは他に類をみないでしょう。しかし考えてみると、ブラム・ストーカーの原作中、ドラキュラがルーマニアから英国まで棺桶で運ばれる※「デメテル号の恐怖」を描いた第7章は、殆どの映像化作品ではサラッと流されちゃってるんですよね。例外は、『シャーロック』と同じスタッフで製作したというNetflixのリミテッドシリーズ『ドラキュラ伯爵』くらいかなぁ…。まあでもあのドラマは全編独自の解釈で作られていて、原作とはずいぶんかけ離れていましたけどね。コミカルタッチだったし。

デメテルギリシャ神話の豊穣の女神。豊穣と大地の女神を冠した船で繰り広げられる悪魔の所業と血塗られた惨劇…。何という皮肉でしょうか。

 

 …というわけで、ユニバーサル版「吸血鬼ドラキュラ第7章〜デメテル号最後の航海」。昔むかし、ヲタクも原作で読みました。ドラキュラがその故郷ルーマニアにある古城から英国に渡るため、帆船デメテル号に乗り込むのですが、彼は夜の闇の中でしか活動できないので、棺桶に入って運び込まれ、夜になると血を求めて船の中を彷徨い歩き、乗組員たちを次々と毒牙にかけて行きます。原作では「デメテル号船長の航海日誌」という体裁をとっているのですが、船上から一人、また一人と船員が消えていき、その理由がわからない船長は次第に心理的に追い詰められていって、ついにはその恐ろしい存在と対峙する……という内容。読み手である私たちは船長と共に得体のしれない恐怖に襲われ、それがついには極限に達する……という感じで、読んでいてめちゃくちゃ怖かったのを覚えています。今回の映画は、これまでのドラキュラものに見られるような、ドラキュラの人間的な側面には一切タッチせず、ドラキュラは、醜悪なヴィジュアル(『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラムをさらに怖くしたバージョン(^.^;)からその性癖から「極悪なる怪物」として登場、その描き方もセンチメンタリズムやユーモアを一切排し、徹頭徹尾ホラーで押しまくる(笑)ヲタクなんて原作も読んでるのに、何度も身体がビクビク震えるわ、声上げそうになるわ……(ぶるぶる)


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※最恐のドラキュラをCG無しのガチで演じるのは、ハビエル・ボテット。前述の『ザ・マミー』にも古代エジプト神で出演していたスペインの怪優。

 

 これほど悪の権化たるドラキュラ、久しぶりに見たわ。それに飛ぶんだわ❗コウモリみたいに。あの史上最高のドラキュラ役者クリストファー・リー様だって、今作に比べたら、もちょっと可愛げあったし、スタイリッシュで上品だったよね(^.^;ヲタク思うに、吸血鬼映画って、主人公の吸血鬼をどう描くかで、モンスター系とイケメン系、もしくはミックス系❓の3つに別れると思うんですが、今回はモンスター系の最高峰ですね(笑)

 

 PG12だけあってかなり血生臭い描写が多いので、気の弱い方はご用心(^o^;)

本当に怖い、吸血鬼伝説

……うん、このキャッチコピー、ウソじゃない。

9月に入ってもまだまだ蒸し暑い昨今、この映画見てゾッとして涼しくなりましょ🎵