オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、鑑賞後の感想を呟いたりしています。今はおうちで珈琲片手に映画やドラマを観る時間が至福。

ロマン・デュリス懐かしの名作~映画『タイピスト!』

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 緊急事態宣言が解除され、日常を取り戻す街が増えつつある中、ヲタクが暮らすこの辺りでは継続の気配。そのせいか、はたまた先日『ジュディ 虹の彼方に』を観賞して少々ツラくなった反動なのか😅今日ご紹介したい映画は、『タイピスト❗』(2012年 フランス)。

 

  時は1950年代。フランスのド田舎、雑貨店を営む父と二人暮らしのローズ・パンフィル(デボラ・フランソワ)は、父が強引に進める縁談を逃れる為、独学で覚えた早打ちタイプを武器❓に、保険代理店を経営するルイ(ロマン・デュリス)の秘書として採用されます。ところがこのローズ、重要書類をシュレッダーにかけ、それをムリヤリ引っ張った為に機械を壊したり、電話をとるのにメモが見つからず社長のルイの手のひらに書いちゃったり…と、秘書としてはさんざんのていたらく(笑)ルイは「秘書には向いていない」とクビにしようとしますが、「村に帰ったら、気の進まない縁談を受け入れるしかない」とローズに泣きつかれ(フランスでも50年代はこんな感じだったのね😅)、彼女を田舎に帰さない為の苦肉の策『タイプ早打ち大会』優勝を目指して、彼女を特訓するハメになり…というおはなし😊

 

  …はてさて、このストーリー展開と映画のキャッチフレーズのかずかず…「マドモアゼルのド根性見せてあげる」「素敵な上司は鬼コーチ」どこかで見たことある、聞いたことあるゾ😅…そう❗まんま『アラベスク』(山岸凉子)、『エースをねらえ❗』(山本鈴美香)ですよねぇ。イケメンでクールなコーチがいて、『ドジで、ノロマなカメ』(あ、このフレーズは少女漫画じゃなくて、堀ちえみ風間杜夫ね😅ドラマ『スチュワーデス物語』)な私を、栄光の極みに導いてくれる…っていう少女の夢のキラキラ世界✨💍✨

 

  鬼コーチ…って言ってるけど、行動を観察しただけで(お前ホントはめちゃくちゃ優しいだろーーっ)って突っ込み入れたくなるのも、やっぱり少女漫画の世界(笑)

 

  映画でのローズの特訓の様子なんて見ると、走ったり跳んだり自転車こいだり、まんまスポ根。手動タイプってホントに体力勝負。5本指で打つ場合、普段使わない薬指や小指にかなり負担が来るから、肩から二の腕も一緒に鍛えなくちゃいけない。ヲタクも大学時代に「レポートは全て英文タイプで提出のこと。手書きは不可」って、あるイギリス人の教授に宣告され、(オニ~~😈)って呪いながらタイプ学校の門を叩きましたっけ。ローズの場合と違って、教授はおじいちゃんだし、カトリックの神父さまだから、ヲタク妄想の余地もなくてつまんなかったけど(笑)

 

閑話休題

 

  ストーリーはまんまスポ根でも、そこはそれフランス映画、おシャレで可愛くてキッチュでポップな作品に仕上がっているところがお国柄❤️カラフルなオープニングがまず必見🎵ローズのブロンドのポニーテール姿を初めとして、登場する女性たちの50年代ファッション、画面の色彩感覚に酔いしれ、映画の中のセリフ…「アメリカ人はビジネスを、フランス人は愛を」に象徴されるフランス的流儀を堪能あれ❗

 

  ローズは当時のハリウッドスタァに憧れている設定で、オードリー・ヘップバーンマリリン・モンローのピンナップを部屋に貼っています。主役のデボラ嬢はタイピングと同時に、50年代の女性の所作や立ち振舞いを学ぶために、オードリーの映画を見て勉強したそう😊

 

  ローズのあるエピソードが、ゴルフボールみたいに印字がくるくる回る電動タイプライターの発明のもとになった…っていうオチもなかなかヒネリが効いてて楽しかった。

 

  恋も仕事も人生もみーんな欲張って楽しんじゃう❗フランス女性のサクセスストーリーで『おうち時間を楽しく』(笑)