ARABAKIロックフェス、エレファントカシマシが見せてくれた奇跡のようなステージの熱気がいまだ醒めやらぬ今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
東北から帰ってきて、改めてROCKIN’ON JAPAN5月号の宮本さんと山崎洋一郎さんの対談を読ませてもらうと、ステージ上の宮本さんの一挙手一投足が、何やら深い意味をもって浮き上がってくるような気がします。
対談の時期の宮本さんは、先日4月30日に満を持して配信開始となった新曲「Today 胸いっぱいの愛を」を絶讃制作中だったみたい。
今、歌詞を書いているんだけど。
やっぱり本格的に大人になっちゃうとロマンが減るから、そのぶん曲の説得力が減るんですよ。
宮本さんほどの天才であっても、一曲一曲創る度に、命を削るような「産みの苦しみ」があるんだなぁ、あだや疎かに聴けない……って思ってしまう。いちファンとしてはね。
そして4月30日当日、襟を正して聴きました、「Today 胸いっぱいの愛を」。いやもう、宮本さんが聴き手の私たちに投げてくれた胸いっぱいの愛、しっかり受け取めましたよ❗️曲も歌詞ももちろん素晴らしいんだけど、何よりもシンガーとしての宮本浩次が圧倒的。山崎さんとの対談で宮本さんがいみじくも仰っていた、
(若い頃の本気度や破壊力が年を経て衰えてきて)
今、歌詞を作ってて、そのもどかしさをすごい感じてて。
でもそのぶん、渋さ、声の表現とか佇まいの説得力は増してるんですね。
それがそのまま具現された作品になっています。
対談の中で宮本さんは、「ソロシンガーとしての宮本浩次はエルヴィス・プレスリーやフランク・シナトラが1番の目標としてある」…って仰っています。ヲタクは個人的にプレスリーのファンですが、若い頃の初期名曲「ハートブレイクホテル」、「ハウンド・ドッグ」、「監獄ロック」の破壊力や熱量は確かにメガトン級、唯一無二。……だけどヲタクが観る度に号泣しちゃうのは、晩年、彼が急死するひと月前にコンサートで歌った「アンチェインド・メロディ」なんですね。愛妻プリシラと愛娘リサ・マリーに去られ、マネージャーとの軋轢に悩み、自身の病や歌い手としての将来に不安を覚えながらも、音楽の持つ力を信じて、切々と歌い上げたエルヴィス。まさに絶唱と呼ぶべき歌。「Today 胸いっぱいの愛を」を聴いてヲタクは宮本さんの声に、「アンチェインド・メロディ」を歌った当時のプレスリー同様、様々な苦しみや歓びを経験し、人生の深淵を知る人だけが持つ「渋さ、表現力」をひしひしと感じました。でもね、その「佇まい」だけは、生のステージでしか体感できないから今の時点では何とも言えないけど(笑)
「over the top」&「Today 胸いっぱいの愛を」をライブで聴く……という「浮世の夢」を「うつらうつら」見つつ、今日もヲタクは粛々と「普通の日々」を送っています(笑)
★今日の小ネタ……「胸いっぱいの愛を」
宮本さんの「Today」を聴くまでは、ヲタクの中では「胸いっぱいの愛を」と言えば、レッド・ツェッペリンの「Whole Lotta Love」だったの。(直訳すると「ありったけの愛」なんだけど、なぜか邦題は「胸いっぱいの愛」だった)彼らも若かったし、かな〜り不道徳でヤンチャな内容で、邦題とかなり乖離してる感じがして、ヲタクはちょっと不満だった。でも、宮本さんの「胸いっぱいの愛を」はもう題名にぴったり、真摯な愛に溢れてる。宮本さんの書く歌詞のどこか好きって、行間に彼の誠実な人となりが垣間見れるところ。しかも対象は、(おそらく)単数のYOUじゃなくて、複数のYOUなんだと思う。最近宮本さんの謳い上げる「愛」は、狭義の恋愛じゃなくてたぶん平等なる人類愛。人々の期待を背に、メサイア宮本は今日も全力で行く❗️