オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

新たなスパイ・ヒーローの誕生だッ❗〜Amazon Prime Video『シタデル』


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スパイものに目がないヲタク。ジェームズ・ボンド007シリーズの原作は全部読んだし映画も全部見た。ジェイソン・ボーンも好きだしジョージ・スマイリーもジャクソン・ラムもそれぞれ魅力的。…そんな「推しのスパイたちリスト」にもう一人加わりました❗……彼の名はメイソン・ケイン(リチャード・マッデン)。Amazon Prime Videoで一昨日(2023年4月28日)から絶賛配信中の『シタデル』の主役です。


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※メイソン・ケイン役のリチャード・マッデン。スーツ姿だとスリムだけど、「ボク、脱いだらスゴイんです」の典型。萌える(笑)ダニエル・クレイグはスーツ姿でも筋骨隆々なのがわかっちゃうんだけど、マッデンの場合は全然外からは筋肉が感じられない。…そこがいいの。(…ってなんぢゃそりゃ 笑)

 

 『シタデル』って、今までのスパイものとは一線を画している点がけっこうあると思うんですが、まず第一に、ヒーロー活躍の舞台を、巨悪を滅ぼし正義を守る世界的組織「シタデル」に設定したこと。これまでのヒーローはCIAやMI5、MI6に所属していたから、それぞれの組織内部の描写にも少々制約があったのではないかと思われます。しかし今回は全くの架空の組織だからね、やりたい放題(笑)他の作品に見られるような「一人の人間としてのスパイの懊悩」とかはちょっと置いといて、完璧なるエンターテイメント大作に仕上がっており、肩凝らずに気軽に見れます。筋もシンプルだし😉なにしろエグゼクティブ・プロデューサーがあのルッソ兄弟(『アベンジャーズ』、『キャプテン・アメリカ』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)ですからね。面白さは折り紙つき❗

 

 ストーリーは、スパイの超エリート揃いの「シタデル」の中でもトップを争う存在だったケインが、悪の組織「マンティコア」によるシタデル壊滅作戦に巻き込まれ、一命は取り留めたものの※記憶を抹消され、8年間別の人間として家族を持ち、平和に暮らしているところから始まります。ところがマンティコアが再び活躍を始めたことを機に、それまで身を隠していたケインのボス、バーナード(スタンリー・トゥッチ)がケインとケインの最強のバディだったナディア・シン(プリヤンカー・チョープラー)に協力を要請、マンティコアの陰謀を挫くために立ち上がる……というものですが、そこはそれ、生き馬の目を抜くスパイの世界。誰が味方で誰が敵なのか皆目わからず、肝心のケイン自身がスパイ時代の記憶を全く失っているため、ストーリーは二転三転、全く先が読めません(現在、全6話の半分、第3話まで配信されていますが、ますます状況が複雑なことになってます ^^;)『メメント』(クリストファー・ノーラン監督)のスパイ版って感じ?

※シタデルのエージェントは脳にチップを埋め込まれ、敵に捉えられるような危機的状況においては記憶を消されてしまうらしい(^_^;)



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※ヲタク大好き、英国の名女優レスリー・マンヴィル(『ザ・クラウン』のマーガレット王女、『カササギ殺人事件』、『ミセス・ハリス、パリへ行く』)が珍しく悪役を演じ、ドラマに重厚感を与えています。

 

 007のM的な立ち位置のバーナード役、スタンリー・トゥッチがめちゃくちゃいい❗007のM的な立ち位置のバーナードだけど、優しいのか冷血なのか、正義感なのか権力欲なのかよくわからない、掴みどころのない人物。ケインとバーナードのコミカルなやり取りも見どころの1つですが、「The River」のインタビューに答えるマッデンとトゥッチも仲良さそう。「彼(マッデン)はひと言で言うなら「カタブツ」かな。彼がスコットランド人だと知ってビックリしたよ。あんまりアメリカ英語が上手いから。ある日メイクのトレーラーで一緒になって、彼が突然スコットランド英語で喋り出した時は面白かったよ、うん。」と、褒めているのかけなしているのかよくわからないトゥッチのナゾの発言に、「アメリカ英語を喋るボクはつまらないんだね……」とボソッと呟くマッデンがツボだった。


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※このシーンの直後、プリヤンカー・チョープラーはスリットドレスで大暴れ。(プリヤンカーと言えば、ヲタク的にはインド映画『ホワイト・タイガー』のビッチっぷりが印象的)『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』『ゴーステッド』のアナ・デ・アルマスの向こうを張って、プリヤンカー姐さん頑張ってます。

 

 『シタデル』は今後、世界を股にかける展開となり、各国でロケを実施するようです。シタデルのエージェントは語学堪能の設定なので、シーズン1では、リチャードもプリヤンカーもその時々でイタリア語、スペイン語、中国語を喋って大変そうでした(^_^;)


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※プライベートでも息のピッタリなリチャード・マッデン(左)とスタンリー・トゥッチ(右)

 

 The Riverでのインタビューで、「シーズン2は日本で撮影したい。とにかく日本に行ってみたいんだ」と語ってくれたリチャード・マッデン

 

 リチャード、ぜひ日本へ来て〜〜😍待ってるわ❗

 

『Complete Unknown』ジョーン・バエズ役はモニカ・バルバロ❗


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 ハリウッドのプリンス、ティモシー・シャラメが稀代の天才シンガー、ボブ・ディランを演じる『Complete Unknown』。ヲタク的には、ボブ・ディランってやたらと賞を貰う人……ってイメージ(笑)調べてみたら、やっぱり凄かった(^_^;)グラミー賞11回、そのうち「最優秀男性ロック・ボーカル」2回、「最優秀コンテンポラリー・フォーク・アルバム」には3回輝いています。おまけに2016年にはノーベル文学賞まで……。あの村上春樹でさえまだなのに…って関係ないか。

 

 さらにシャラメが全編にわたり、自身の声でボブの曲を披露するとあって期待度はいや増すばかりですが、今回ジョーン・バエズ役に『トップガン・マーヴェリック』のフェニックス役、モニカ・バルバロが抜擢されました❗


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 モニカが演じる※ジョーン・バエズと言えば、愛と自由を歌い続ける「フォークの女神」、「反戦歌の女王」。バエズとディランが出逢ったのは、共に20歳の頃。当時まだディランは無名でしたが、無口で地味な青年の中に煌めく才能を見出したバエズは、たちまち激しい恋に落ちます。

※「花はどこへ行った」「勝利を我らに(We shall overcome)」「ドナドナ」等はヲタクの時代、文化祭のキャンプファイヤーの定番ソングだった気がする。

 

バエズの『Diamonds and Rust 』は、彼女がディランに対する熱い恋心を吐露したものだと言われています。

 

あなたはいきなり登場し
そしてすでに伝説
磨かれていない原石
生まれながらの放浪者 

 

今、私たちはあの安ホテルの窓辺で微笑んでいる
ワシントン・スクエア広場を望みながら
二人の息は混じり合い窓を曇らす
正直に言うわ…

あの時あそこで死んでもよかったのよ

 

いやー、アツいっすね❗(笑)

 

 シャラメが自身の声で歌うことはすでに告知されていますが、モニカはどうなんでしょう❓いや〜フェニックスのハンサム・ウーマンぶり、カッコよかったっすね。訓練生の誰よりもオトコマエだったもん(笑)『トップガン・マーヴェリック』の撮影現場、トム・クルーズの特別プログラムにも根を上げずに航空撮影を乗り切ったど根性美女モニカ。今回もきっと、ガッツでボイトレとかしたんじゃないだろうか。シャラメに負けず劣らず、彼女の美声にも「乞うご期待❗」ですね😉

 

なんで後ろ姿なんぢゃー❗〜『DUNE 砂の惑星 PART2』のオースティン・バトラー


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 公開が待ちきれない超大作『DUNE 砂の惑星 PART 2』。主演のティモシー・シャラメ(ポール・アトレイデス)やゼンデイヤ(チャニ)、レベッカ・ファーガソン(レディ・ジェシカ)等PART1から続投のお馴染みのメンツはもちろんのこと、新たに参戦するフローレンス・ピュー(皇帝の息女イルラーン姫)のヴィジュアルが次々と公開されています。



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※皇帝の息女イルラーン姫役で初参戦、フローレンス・ピュー。

 

 オースティンは?フェイド・ラウサ・ハルコンネン役のオースティン・バトラーはどれ?

…と血眼になって探したヲタク。

 

あった!あったよ!

…って、う、後ろ姿?それになんか暗いし(笑)耳が尖ってて…まさかのスキンヘッド(^_^;)

 

 1984年のデヴィッド・リンチ版ではロック・ミュージシャンのスティングが演じ、主役をすっかり食ってしまったという曰く付きの役柄。ドゥニ・ヴィルヌーブ監督はこのフェイド・ラウサ役を「冷血な暗殺者」とし、ある偉大なロックスターを引き合いに出して表現したようです。

 

オースティン・バトラーはスクリーン上に、サイコパス、ソシオパス的なシリアルキラーミック・ジャガーがないまぜになったような人物像を造型してみせた。

 

 フェイド・ラウサってポールのライバル的な立ち位置だと思っていたけど、監督の説明からするともっと強烈な悪の権化……というか、つまりラスボス❗❓

 

 く〜っ、ヲタク的にはサイコパスなソシオパスなラスボスを演じるオースティンはめっちゃツボ❗

オースティン、思い切り突き抜けちゃって❗

どこまでもついていくから(笑)


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※こんな優しげな雰囲気のオースティンがどんなふうにサイコパスを演じることやら…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金田一耕助その人が蘇る〜NHK『犬神家の一族』の吉岡秀隆

 
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横溝正史金田一耕助シリーズを不定期に制作しているNHK。2023年は『犬神家の一族』❗ヲタクは昔から横溝正史のファンで、ベストセラーになった作品は大抵読んでいるのだけれど、犯人や結末がわかっていても、横溝の映像化作品はどれもとても面白い❗……それはきっと、彼の作品が外連味たっぷりで(注・良い意味です 笑)、派手で、とても映像向きだからだと思う。読者としては、例えば『獄門島』だと雪月花の三姉妹の殺され方の絵面はどんなものかしら……とか、『八つ墓村』の多治見要蔵の発狂シーンはどんな演出❓とか、ツボが沢山あるわけですね。

 

 そしてそして今回の『犬神家の一族』。時は太平洋戦争終戦後間もなく。那須湖畔にある大邸宅で信州財界の大物・犬神佐兵衛が死去。彼は生涯妻を娶らず、3人の妾を囲っていました。3人の妾はすでに他界していましたが、1人ずつ娘を遺し、その遺児たる腹違いの3姉妹、松子(大竹しのぶ)、竹子(南果歩)、梅子(堀内敬子)は婿養子を取って広大な屋敷に住み着き、これまたそれぞれ1人息子〜佐清(すけきよ)、佐武(すけたけ)、佐智(すけとも)をもうけ、互いに反目し合っていました。犬神家には、幼い頃両親を亡くし佐兵衛に引き取られた野々宮珠世(古川琴音)が寄寓していましたが、左平の死後は何故か、彼女の命を危うくするような謎の事件が頻発していました。


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大竹しのぶの「圧」がスゴイっす(笑)

 

 犬神家の姓を名乗ることさえ許されなかった婚外子の3人の娘たちは佐兵衛を憎む一方で、彼の遺した莫大な遺産を(我が息子にこそ……)と虎視眈々と狙い、水面下で牽制し合っています。戦死したと思われていた松子の一人息子・佐清が犬神家に奇跡の生還を果たしたその直後、一族が勢揃いしたその席で、名探偵・金田一耕助(吉岡秀隆)が見守る中、顧問弁護士が遺言状を読み上げましたが、その内容は「遺産相続人は野々宮珠世とする。但し、遺産相続の条件は佐清、佐武、佐智の何れか1人と結婚すること。それができかねる場合、相続は無効となる」という、非常識極まりない、子孫にあえて諍いを起こすような内容でした。そしてそれは、親族同士の、血で血を洗う悍ましくも恐ろしい惨劇の幕開けでもあったのです……❗


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※竹子役、南果歩のメンヘラっぷりも必見。

 

 まずもってNHKのドラマ(特に時代モノ)は、『上海の芥川龍之介』(主演・松田龍平)や『スパイの妻』(主演・蒼井優)にしろ、『雪国』(主演・高橋一生)にしろ、衣装や家屋、細かい調度品に至るまで時代考証が綿密で、画面を見ているだけでも楽しい🎵……しっかし『犬神家の一族』や『八つ墓村』の舞台になる古い日本家屋って、昼間でもところどころに光が届かない暗闇があって、それだけでも怖いよね(^_^;)ヨーロッパの古城を舞台にしたホラーを「ゴシックホラー」って言うけど、横溝正史はさしずめ日本のゴシックホラー(笑)彼の蔵の描写とかもコワイ。そういえば横溝の作品に、『蔵の中』なんてのもあったっけ。


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目は口ほどに物を言い…。佐清役の金子大地。

 

 また、特筆すべきはキャスト陣の熱演でしょう。戦地で火傷を負い、顔一面ケロイドだらけになったため、白いマスクを被っている佐清役・金子大地の「目の演技」がトレンド入りしてました。(おまけに彼は、一言も喋らない…)金子くん、素晴らしかったですね。お国の為に戦って、若いみそらで顔に重度の火傷を負い、愛する珠世にも距離を置かねばならぬ青年の懊悩を、目線1つで表現していました。佐清の母で、気位が高く、亡くなった父親・佐兵衛に対する冷たい情念を心の奥深くで青白く燃やし続けているような長女・松子役の大竹しのぶ。インタビュー等で垣間見る彼女のキャラは天然系、松子とは真逆なので、尚更一層その類まれなる演技力に感服です。


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※そこに金田一耕助は実在していた❗……吉岡秀隆

犬神家の一族』の頃、金田一はまだ30〜40代だったと記憶していますが…。若白髪かな❓(^_^;)『八つ墓村』まではあまり気にならなかったけど…。前2作では短髪だったから目立たなかっただけかな。でも、イマドキなグレイヘアもステキ😍

 

 そしてそして、金田一耕助役の吉岡秀隆❗彼の金田一は同じNHKの『悪魔が来たりて笛を吹く』、『八つ墓村』以来3度目の登場ですが、歴代数々の名優が演じてきた金田一の中で、彼がベストですね。というか、イメージぴったり。原作から抜け出して来たみたい😍華奢で運動オンチ、男性には軽く見られがちだけど、母性本能をくすぐるタイプで女性にはモテモテ。コワモテな人もなぜか彼の前ではうっかりホンネを喋ってしまう。今作品でも、アノ怖ーい松子(大竹しのぶ)が、耕助のお願いごとには「(んもう、しょーがないわねぇ)いいわよ」って感じだったじゃないですか(^_^;)…とはいえ、周囲に黙ってふらっと外国行っちゃったり、案外好き放題生きてる風来坊なんだけどね(笑)

 

 ……というわけで、前編の※「菊人形殺人事件」に引き続き、いよいよ今週土曜日(4月29日)の後編には、アノ衝撃の「湖からニョッキリおみ足」シーンが登場します。

※若い人は知らないでしょうが、ヲタクの子供の頃には「菊人形」っていうナゾの展示物が存在してたんですよー。マネキンに、ナマの菊の花を衣装に見立ててペタペタ貼り付けたヤツ。今の東急線沿線のヲタクの家の近くに「多摩川園」っていうちっちゃな遊園地があって、毎年秋にその菊人形を何体も展示するんだけど、子供心にも何故か‥‥怖かった(^_^;)今回の『犬神家の一族』で、その時の理由のわからない恐怖心を思い出した。

キャップつながりのカメオ出演が凄い❗〜Apple TV『ゴーステッド Ghosted』


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 ひゅーひゅー、待ってました❗当ブログでもさんざん紹介済みのAppleTV配信の映画『ゴーステッド Ghosted』。

 

 女性を好きになるとすぐのめり込んでつきまとい、結果フラレてしまう、ちょっとイタイ男のコール(クリス・エヴァンス)。ある日市場で友人の花屋を手伝っていたコール、花を買いに来た美女(アナ・デ・アルマス)に一目惚れ。世界中を飛び回るキュレーターだと言う美女の名はセイディ。たちまち意気投合した二人は一夜を共にしますが(…は、早い(^_^;))それっきり彼女からの連絡は途絶え、2日で11回のラインを送ったものの(いくらなんでも送りすぎだろ 笑)なしのつぶてなのに業を煮やしたコールは、なんと彼女の仕事先のロンドンまで追いかけることに。しかしロンドンに着いた途端、彼は怪しげで屈強な男たちにメタメタにされ、誘拐されてしまいます。目が覚めた彼を待っていたのは、冷血な※死の商人レヴェック(エイドリアン・ブロディ)。どうもコールは、世界を破滅させるほどの強力兵器「アステカ」の入ったスーツケース解錠のパスコードを知るどこぞのスパイ、コードネーム「タックスマン」と呼ばれる人物と間違えられたもよう。彼がレヴェックから毒蜂や猛毒アリの拷問にかけられようとしたまさにその時、ライフルを連射しながら飛び込んできた人影が❗な、なんとそれはセイディその人だったのです。キュレーターとは世を忍ぶ仮の姿、彼女は腕利きのCIAエージェントでした。彼女に夢中になったばっかりに、コールは世界を股にかける命懸けの大活劇に巻き込まれていきますが…。

死の商人から世界最強の武器を買おうとしているのが、どうも日本人らしい。「ウタミさん」って……ワタミのモジリ?(^_^;)


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※やっと理想の女性に巡り会えたと有頂天のコール(クリス・エヴァンス)ですが、それもつかの間…。

 

 当初はスカーレット・ヨハンソンがキャスティングされていて、彼女が降りた時にはアベンジャーズファンからは落胆の声が上がりましたが、ヲタク的にはアナのほうがセイディ役に合っているような気がしました。一見か弱い女性に見えて、そのじつ武闘派…って設定、アナちゃんにピッタリだもんね。アナ・デ・アルマス、『007 ノータイム・トゥ・ダイ』や『グレイマン』でもすでに、激しいアクションを披露している彼女ですが、いつまでもフレッシュというか、儚げな可愛さがなくならない。そんな彼女が、これまた「かまってちゃん」で恋愛依存症っぽいクリエヴァを身体を張って守ってあげる設定がギャップ萌えでたまらん🤤


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※アナちゃん、007の時はあっという間に終わっちゃったけど、今回はこのセクシーな衣装でたっぷりアクションを楽しませてくれます❤

 

 カメオ出演のキャストもゴージャスでっせ❗キャプテン・アメリカつながりで、ファルコンとウィンターソルジャーが〜〜〜❗キャストに名前入ってなかったから、セバちゃんが突然画面に登場した時には息が止まるかと思ったワ(ヲタクはアベンジャーズではウィンター・ソルジャーがイチ推しなんで)。スカヨハが降りたから、アベンジャーズファンへのサービスかしらん。ライアン・レイノルズも最後にチラ見せ🎵3人ともほんの一瞬のご登場なので、よくよく目を凝らして見ていてネ。


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※プライベートでもマブダチな2人。

 

 アクションあり、ロマンスあり、ギャグあり…のハラハラ・ドキドキ、ロマンティック・アドベンチャー。アナちゃんとクリエヴァは3度目の共演、プライベートでも仲良しさんだから息もピッタリ。

 

う〜ん、でもやっぱり映画館の大スクリーンで見たかったよねぇ(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

フツーのシャルロット・ゲンズブールもイイね❗〜『午前4時にパリの夜は明ける』

 
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KINOシネマ横浜みなとみらいにて、フランス映画『午前4時にパリの夜は明ける』鑑賞。


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エリザベートは、彼女の担当するラジオ番組に参加した18才の少女タルラ(ノエー・アビタ)が家出少女だと知り、自宅に招き入れますが…。

 

 始まりは1981年。所はパリ。街は、※ミッテラン大統領当選の祝賀ムードに沸き立っています。思春期の子供2人を持つヒロイン、エリザベート(シャルロット・ゲンズブール)もまた、「何かが変わる」希望と期待に胸を膨らませる1人でした。しかしその僅か3年後の1984年、彼女の人生は奈落の底に……。長い間険悪な関係になっていた夫がついに家を出て、愛人と同棲生活を始めたからです。人生で1度も働いたことのないエリザベートは途方に暮れますが、そんな時にふと頭に浮かんだのが、破綻した結婚生活の心の支えだった、リスナー参加型の深夜のラジオ番組「夜の乗客」でした。思い切って彼女は、「ラジオ・フランス」の門を叩き、「夜の乗客」のパーソナリティであるヴァンダ(※2 エマニュエル・ベアール)のオーディションを受けますが…。

※1「フランス最後の国父」と呼ばれるミッテラン大統領。現在でも、死刑廃止生活保護費・年金の充実・週39時間労働制の実施、マーストリヒト条約の署名など、彼のかつての政策を評価するフランス人は多いようです。

※2 エリザベートとは対照的、ザッツ・キャリアウーマンなヴァンダを演じるのは、フランスを代表する名女優エマニュエル・ベアール(『美しき諍い女』『8人の女たち』)。彼女もシャルロットに負けず劣らず大胆な演技をするので有名。『美しき諍い女』のベアールはスゴかったっすよね(笑)


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エリザベートの住むアパルトマン。窓の外に広がるパリの街の、夜も早朝も昼下がりも全て美しい❗

 

 繊細で傷つきやすい一人の女性の自立への歩みとその家族の歴史、そして、ふとしたきっかけから彼ら家族と同居し始めた路上生活者の少女との心の交流を淡々と、しかし温かな眼差しで綴った映画。ヲタクは、どこかでとんでもないどんでん返しが起きるのではないかとずっとハラハラしていたのだけれど、最後までそんな衝撃的な事件は起こらなかった(笑)

 

 ヲタクがなぜ映画を観ている間ぢゅう疑心暗鬼だったのか?

……いやだって、ヒロインがあのシャルロット・ゲンズブールだからさ〜。


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※この作品のもう一人の主役は、言うまでもなくパリの街。家族の住むアパルトマンの屋上から眺めるパリの夜景は、息を呑むほど美しい。

 

 女優、歌手、プロデューサー……と多彩な顔を持つシャルロット・ゲンズブール。女優としての彼女を思う時、ヲタクの脳裏には「ぶっ飛び〜〜」という言葉がよぎる(笑)。その身体の「全て」を惜しげもなくスクリーンに晒すことで有名で、カンヌ国際映画祭で主演女優賞を獲った『アンチクライスト』(2009年)なんて、ウィレム・デフォーとのシーンのあまりの激しさに、ちょっとしたことじゃ驚きそうもない記者連中からブーイングが起こったとか。日本では公開は無理だろうって言われてたけど、まさかの劇場公開が決まって、ごく一部の映画ファンが騒いでたのは覚えてる。ビビリのヲタクは、『僕の妻はシャルロット・ゲンズブール』以外、彼女の映画って観たことないんだよね。だって、顔を隠しながらこそこそ映画館に忍び込まなきゃいけないような作品ばっかりなんだもん(笑)かといって家族の眼がある中、リビングで動画配信観るのもなんだか気まずいし(^_^;)

 

 この作品の中でシャルロットは、実の子ども2人の子育てでも大変なのに、家出少女まで家に連れてきちゃう母性のカタマリみたいな女性を好演していますが、実生活での子育てはなかなか上手くはいかないらしく(^_^;)、パートナーのイヴァン・アタル(俳優・監督…事実婚で籍は入れていない)との間の息子ベンが最近インタビューで、「母親のシャルロットとの関係は良いとは言えない。常に見棄てられるのではないか……という不安を抱えていた。今でも母親と話す時は声が震えてしまう」と話して話題になってましたね。

 

 今回の作品を観る限りでは、シャルロット・ゲンズブールという人は、とても愛情に溢れた人のように見える。それが彼女の卓越した演技力の賜物なのか、はたまた彼女自身の人柄から滲み出るものなのか、ヲタクには測りかねるけれども(笑)

 

★今日のオマケ

 エリザベートの家では、何かおめでたい時に、※ジョー・ダッサンのフレンチ・ポップス『もし君がいなかったら』を聴きながらエリザベート手作りのプリンを食べる……というナゾの習慣が(笑)その他にも、タルラが夢中なテレビジョンをはじめとして、ペイル・ファウンテンズ、キム・ワイルド、ヘヴンリーのヒット曲が全編を彩り、監督であるミカエル・アースの「1980年代愛」がアツい❗

アメリカ生まれなのに何故かフランス好きで、フランス語の歌を数多く作ったシンガーソングライター。日本人なら誰でも知っているあの『オー🎵シャンゼリゼ』の作者でもあります。

 

 

 

クリス・エヴァンス✕アナ・デ・アルマス、『ゴースティッド Ghosted』のプレミアに揃って登場❗


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Netflixの大ヒット映画『グレイマン』では敵同士だった二人。しかし撮影の合間にはこの通り(笑)

 

『ナイヴズアウト』(ダニエル・クレイグがオトボケ探偵を演じたミステリー映画)で初共演を果たし、Netflixで大ヒットした『グレイマン』で2度目の共演を果たしたクリス・エヴァンスとアナ・デ・アルマス。

 

 クリスが

アナは印象的な人で最高の女優、そして信じられないほどエネルギッシュ、誰からも好かれ、一緒に仕事が出来てラッキーだったと思える一人だ。

と誉めちぎると、

 

アナも

ジェイコブを守るため  Defending Jacob』の彼から目が離せないわ。「クリスって素晴らしい」とずっと思ってるし、彼のことは誇りだわ。

と返すなど、とっても気の合う二人。

 

 

 そんな二人が、3度目の共演を果たした『ゴースティッド/Ghosted』(AppleTV+)のワールドプレミアに揃って登場しました〜〜〜❗相変わらず仲良さげな二人です😍

 

『ナイヴズアウト』と『グレイマン』では対立し合う、あるいは敵同士の役だった二人。『ゴースティッド』はロマンティックアドベンチャーというだけで詳細は明らかにされていませんが、初のラブラブシーンとか見れそうですね🎵

 

ゼンデイヤ✕マイク・ファイスト✕ジョシュ・オコナー『チャレンジャーズ Challengers』R指定に❗



 今をときめくゼンデイヤを巡る、マイク・ファイスト(『ウェスト・サイド・ストーリー』)とジョシュ・オコナー(『ザ・クラウン』)のトライアングルラブストーリー、『チャレンジャーズ』。撮影も無事終了し、あとは公開を待つばかり。

 

 今公表されているストーリーは……

 テニス選手からコーチに転身したヒロイン、タシ(ゼンデイヤ)が、うだつの上がらない出ると負け選手である夫のアート(マイク・ファイスト)を世界的なグランドスラムチャンピオンに押し上げようと、奮闘するストーリー。ところがタシのもくろみはことごとく上手くいかず、アートは連敗続きの負のループ。一計を案じたタシは、夫をまず最下位ランクの「チャレンジャー」テニスイベントに参戦させますが、なんと一戦を交えることになったのが、タシの元カレで、アートの親友でもあったパトリック(ジョシュ・オコナー)❗パトリックはかつて将来を嘱望された選手でしたが、今はもはやテニスへの情熱をすっかり失い、「どーでもいいや」の「燃え尽き」状態(^_^;)

 はてさて、試合の行く末と、この3人のラブ・トライアングルの結末はいかに…❗❓

…というもの。

※な、な、な、なんなんだー、この場面〜〜❗


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※撮影現場、テニスウェア姿のゼンデイヤ。さすがのスタイルっす😍

 

 その『チャレンジャーズ』が、な、なんと、「(性的な)言語、内容、ヌードシーン」を理由にR指定に〜〜〜❗ジョシュ・オコナーは『ゴッズ・オウン・カントリー』や『帰らない日曜日』で、すでに「一糸まとわぬ何とやら」をご開帳してますけど、我が最愛の推し、マイク・ファイストは……#$%@&()*£¢

な、なんか、今からコーフンしてきたゾ🤤(笑)


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※自身のインスタで、「Challengersの時代が始まる」

というコメントを付け、マイク・ファイストとジョシュ・オコナーのツーショをUpしたゼンデイヤ。ノリノリのジョシュに、照れくさそうなマイク。どっちもイケメン〜〜😍

 

 監督が何しろ、ラヴシーンの名手ルカ・グァダニーノ(『君の名前で僕を呼んで』『胸騒ぎのシチリア』『ボーンズ・アンド・オール』)ですからねぇ…。これはもう、期待しかないっしょ❗

 

ひりつくような心の痛み〜オーストラリア映画『渇きと偽り』


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 U-NEXTでオーストラリアのミステリー小説の映画化『渇きと偽り』鑑賞。……なんだろう、観終わった後の、このヒリヒリした胸の痛みは。登場人物のそれぞれの哀しすぎる人生のせいなのか(出てくる人出てくる人全員が辛い人生の重荷を背負っており、見事なまでに皆不幸なのです😭)、それとも全編を通じて迫ってくる、体のシンまで焼け付くようなオーストラリアの乾いた風と太陽のせいなのか。

 

 舞台は、どこまでも続く干上がった大地に家が点在しているようなオーストラリアの田舎町。オーストラリアでは2019年に大規模な干ばつが起こり、山火事が広がって、あのコアラか1万頭近く犠牲になってしまった……というニュースが紙面を賑わせたのも記憶に新しいところ。映画の中でも、「1年間雨が一滴も降っていない」という台詞が出てきたり、水道の蛇口をひねっても茶色い水しか出て来なかったり……と、昨今のオーストラリアの苛酷な現実が次々と描写されます。この映画は、ミステリーの謎解きより何より、オーストラリアが今直面している深刻な問題について語りたかったのでは……?と思うほどです。

 

 さて、肝心の映画ですが(^_^;)

 連邦警察官のアーロン・フォーク(エリック・バナ)は、旧友のルークの葬儀に参列するため、20年ぶりに故郷の田舎町に帰ってきました。ルークは突然の狂気に囚われて発作的に妻を射殺、その後自らも命を断ったと言われていましたが、事件には様々な点で矛盾があり、アーロンは次第に地元警察の捜査に疑問を持ち始めます。息子の自殺を受け入れられないルークの母親の強い希望もあり、アーロンは独自に捜査を始めますが、それは容易なことではありませんでした。なぜなら彼は、20年前に川で溺死した少女エリーの死に何らかの関与があったのではないかと疑われ、石持て追われるように街を出た過去があったからです。果たしてアーロンは本当に、エリーの死に関係していたのか?……関係者がみなそれぞれ、人には言えない「秘密」を抱えている。ルークの死、そして20年前のエリーの死の真相が明らかになった時、生きていくことのどうしようもない辛さ、哀しさが観ている者の心を抉るのです……😭

 
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※仲良し4人組。左からエリー、グレッチェン、ルーク、アーロン。楽しかった日々も、ふとしたことから綻びが出始め……。

 

 主演は、ヲタク的には「お久しぶりね🎵」のエリック・バナ。映画『トロイ』で初めて彼を観た時、あまりのイケメンぶりにビックリしたヲタク。(反対に、ブラピの印象はほとんど残っていない……^^;)そのままハリウッドでブレークするかと思いきや、ブラピの快進撃とは裏腹に、あまり目立たなくなっちゃったよねぇ。どうしてかしらん(・・?……あえて言うなら、誠実で、寡黙で、垢抜けない佇まいが「今風」ではなかったということかしら……。


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※真実を求めて、干上がった大地を彷徨うアーロン。友人たちと水遊びをした川も、今では干上がって跡形もなくなっています。

 

 派手なアクションシーン等はありませんが、リアルな本格ミステリがお好きな方にはおススメの映画です。

 

 

 

 

 

 

 

強烈なミソジニーに打ちのめされる〜『聖地には蜘蛛が巣を張る』


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 KINOシネマ横浜みなとみらいにて、『聖地には蜘蛛が巣を張る』鑑賞。

 

 むむむ……なんだろうこの後味の悪さ。観終わった後、抑えても抑えても心に沸き起こるどす黒い怒りと絶望。この映画に描かれた、イランの社会に厳然と存在する強烈なミソジニーに打ちのめされます。

 

 世界遺産の1つで、輝く※イマーム・レザー聖廟で名高いイランの観光都市マシュハド。そんな「聖なる都」で、娼婦だけを狙った連続殺人が立て続けに起こります。その事件を追って、テヘランからマシュハド入りしたジャーナリストのラヒミ(ザーラ・ラヒーム・エブラヒミ)。彼女は職業を持つ女性に対する激しい差別と闘いながら事件の真相に迫りますが、それを嘲笑うかのように犯人は、16人もの娼婦を毒牙にかけます。(被害者の女性の首を締め上げながら、「イマーム・レザーよ、神よ、私に力をお与え下さい」と呟く犯人の狂気の沙汰…)ラヒミは同僚の協力を得て、娼婦を装い、自ら囮となって街角に立ちますが……。

※818年アッバース朝カリフ,マームーンに毒殺されたといわれるイマーム・レザーは,マシュハド(殉教地の意)に葬られ,聖廟を中心に宗教都市マシュハドが発展した。イラン国内における最大の聖地で,聖廟への巡礼は重視されている。(コトバンクより引用)

 

 所謂「フーダニット」のミステリーではなく、実際にイランの聖地で起きた猟奇殺人を基にしたストーリーなので、ごく早い段階から犯人は割れてしまいますし、謎解きの面白さはほとんどありませんから、ミステリーやサスペンスの面白さを期待して観るとイタイ目に遭います(笑)

 
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※命を賭けて真犯人逮捕に奔走するラヒミ。被害者たちの近親者はその関係性を恥じて真実を話さず、捜査は難航します。

 

 この映画が本当に描きたかったのはおそらくラストの30分、犯人が逮捕されてから裁判、判決に至るまでの過程でしょう。まずもって犯人の妻の発言が、「夫が手にかけたのは、不潔で薬物中毒の女たち。殺されて当然の女たちです。神に代わって夫は正義の鉄槌を下しただけ」っていうんですよ❗さらに犯人サイードは、「聖なる都から不浄な取り除いた」英雄として、あろうことか世間から持て囃され、彼の無実を訴える市民の抗議運動にまで発展していきます。サイードが息子に殺害の一部始終を語って聞かせ、それを聞きながら息子が父親を尊敬の眼差しで見つめる場面、今まで観た映画の中で一二を争う気色悪さです。狂信と差別、分断……。世代に渡る負の連鎖はこうして続いていくのでしょうか……。



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イスラム世界の女性たちを様々な形で縛り、抑圧するヒジャブ

 

 主役のラヒミを演じたザーラ・ラヒームさんは当初キャスティングディレクターとして制作に関わっていたのですが、ラヒミにキャスティングされていたイラン人の若い女優さんが、ラヒミはショートカットで、しかも※ヒジャブを被らないシーンがあるとの理由で、撮影開始僅か1週間前になって突然降板してしまい、急遽彼女が演じることになったとか。フィクションの世界だというのに、女性が髪を切り、ヒジャブを被らないだけで親族挙げての大騒動になる社会っていったい……。

※イラン・イスラム革命後のイランでは7歳以上の少女に「貞節を守り、プライベートな部分を隠し、男性を誘惑しないため」ヒジャブの着用が強制されている。髪は女性の陰部同様と見なされ、髪を隠さない少女・女性は学校へ行くことも禁止されており、それどころか、鞭打ちの刑に処せられたり、刑務所に入れられ、人によっては処刑される場合もある。


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※殺人鬼サイードの不気味な狂気

 

 ザーラさんはイラン人でありながら祖国を追われ、現在はフランスで活動しているそうです。イランではヒジャブの被り方が不適切であるとして現地の道徳警察から逮捕された女性が、留置中に死亡した事件をきっかけに多くの女性が立ち上がり、大規模なデモに発展しました。2017年にアカデミー賞外国映画賞、カンヌ国際映画祭グランプリを受賞した映画『セールスマン』の主演女優タラネ・アリドゥスティさんがこの事件に抗議、自らヒジャブを外した映像をSNSで流し、彼女自身もまた投獄されてしまったのも記憶に新しいところです。(カンヌ国際映画祭委員会がイラン政府に抗議、彼女はその後釈放されました)


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※タラネ・アリドゥスティさん

 

 映画の中で、犯人が凶器として使用したのが、まさに被害者の女性たちが被っていたヒジャブでした。映画の中では、尊い命を文字通り奪ったヒジャブ。しかしそのヒジャブこそ、現在のイラン女性たちの社会的な自由を奪う凶器となっているのです。

 

 私はイランから離れましたが、イランに対する嫌悪は一切ありません。

むしろ自分の経験を話して分かち合い、ミソジニーという問題を抱えている社会を変えるために何かすることが自分の責務だと思っています。

と語る、ザーラ・ラヒーム・エブラヒミさん。彼女は、犯人のサイードさえ、歪つな社会が生み出した被害者なのではないかと我々に問いかけます。

 

 日本でも、一人でも多くの人に見て欲しいと語るザーラさん。

 

あなたのメッセージはしっかり受け取りましたよ❗

 

 私は無力なタダの映画オタクで、何もだいそれたことはできないけど、こうやって拙い感想を呟いて、SNSで拡散するくらいは、できる。どうか、一人でも多くの人がこの映画を観て、世界のどこかで自由や自立を奪われて苦労している女性たちが存在することに心を寄せて欲しい。……そんな「祈り」がきっと、社会の「何か」を変えていくと信じて。

 

 監督は、イラン出身のアリ・アッバシ。前作の『ボーダー〜二つの世界』はヲタク大好きな作品でした。同作品では、世界のどこかで今も起きている社会の分断や差別を「異形の者同士のロマンス」という形でファンタジックに描いた監督ですが、今回の作品では、祖国イランの抱える諸問題に真正面から取り組んでいます。

 

 本作品は、第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、エブラヒミさんが女優賞を受賞、また第95回アカデミー賞の国際長編映画賞部門にデンマーク代表として出品されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャズとベスパとミニスカ〜『パリタクシー』

 
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 借金だらけ、あと2点キップ切られたら免停の「人生崖っぷち」タクシードライバー、シャルル(ダニー・ブーン)がある日乗せたのは、高齢の品の良いマダム、マドレーヌ(リーヌ・ルノー)。自宅を出て高齢者施設に向かうマドレーヌは、「施設に入る前に、人生思い出の場所に寄り道してほしい」と言い出します。彼女の父親が犠牲になったという凱旋門近くの「ナチスによるレジスタンス処刑の地」を皮切りに、マダム・マドレーヌの言われるまま、タクシーを走らせるシャルル。問わず語りにマダムが話し始めたのは、第二次世界大戦前・後の激動の歴史を生き抜いて来た、一人の女性の凄絶とも言える人生でした……❗

 

 何しろ原題が『Une belle course(美しき旅路)』だから、甘酸っぱいノスタルジックな思い出話かと思ったら……なんのなんの(笑)クズのDV夫に泣き寝入りせず、マドレーヌが反撃に出て、夫を$#[]¢£§№℃℉するシーン、ヲタク(あ、あれ?こ、これってサスペンスかホラー映画なの!?)って言うくらい凄まじかった(^_^;)ビックリした……。

 

 女性が意見を言うことははしたないこと、それどころか夫に暴力を振るわれても妻の落ち度と言われた※50年代のフランス。そんな社会の矛盾と生涯闘ったマダムのエピソードの数々は確かに心を打ちます。 

※女性の開放…という観点では、フランスは日本よりずっと進んでいる…と漠然と思っていたヲタク。しかしこの作品や、昨年公開された『あのこと』(人工中絶が犯罪だった60年代のフランスを舞台に、ノーベル賞作家のアニー・エルノーの実体験を映画化したもの)を観ると、フランスの女性蔑視の暗黒時代は思いの外長かったんだな……と驚きます。

 

 けれども、映画を観終わってヲタクの心にズシンと響いたのは、社会の矛盾や時代の過酷さ、虐げられた女性の歴史……等々よりもむしろ

1950年代……でも、良いところもあったのよ。

街中にジャズが流れていて。

膝の上丈のスカートでベスパに乗るの。

という、マダムのセリフ。(さすが品の良いご高齢のパリマダム、ミニスカ…なんて蓮っ葉な言い方はなさいません 笑)

 

 なぜこのセリフがヲタクの心にこんなにも響いたのか?

 

 辛い体験の、その只中にいる時は身が切られるほど苦しい……しかしきっと、時を経るにつれて薄ぼんやりと記憶のカーテンの向こうに紛れて、残るのは、(街角で聴いたあのジャズの曲、なんだっけ?)とか、(ベスパで駆け抜けたシャンゼリゼ通り。吹き抜ける風が気持ちよかったな)とか、そんな懐かしい感覚だけが残っていくはず。だからこそ人は、長い、長い間、辛い人生と折り合いをつけて生きていけるのだ……。マダムのセリフは、ヲタクにそんな想いを抱かせてくれたから。


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※スクーターの名品、イタリアのベスパ。映画『ローマの休日』でオードリー・ヘプバーンが乗ったことで一気に人気が出ました。日本でも、松田優作のドラマ『探偵物語』で人気爆発❗

 

 そしてそして最後に、マダムが懐かしく想い出すジャズの名曲の数々が映画全編を彩ります。

 エタ・ジェイムズの「At Last」。「ようやく私に愛が訪れた」と、辛い恋を経て、新たな恋に出会ったマドレーヌ。けれど甘い恋人は、結婚生活に入ってから豹変してしまいます。 そして、ダイナ・ワシントンの「This Bitter Earth」。幼い息子を守る為に自ら罪を犯したマドレーヌ。しかしそれによって彼女は、最愛の息子と13年間も離ればなれになることを余儀なくされます。「このほろ苦い地球で、愛はなんのためにあるの?「それを知るのは神様だけ」歌詞が切ない😢そして、ダイナ・ワシントンの「On The Sunny Side of The Street」。運命の巡り合わせで互いの人生を打ち明けあい、心の友となったマドレーヌとシャルル。軽快なこの曲に乗って、エッフェル塔シャンゼリゼ通り、ノートルダム寺院凱旋門パルマンティエ大通り……等など、二人は走り抜けていきます。人生最後の「美しい旅路」を…。

 

 ラストは予定調和の心地良さ。人生辛いことは多いけれど、過ぎればみんな想い出になる。くさらず、諦めずに生きていこう……と背中を押してくれる、心洗われる1本。

 

 

誰かエピソード再生止めて❗〜Netflix『ナイト・エージェント』

 
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久しぶりに続きが気になって次々とエピソードを見てしまうドラマに出会えた❗……というか、Netflixは気が利いているので、エピソードが終わると自動的に次のエピソードが再生されちゃうしくみなのだが、いつもストップしそびれてついつい夜更かしに……(笑)

 

 FBI捜査官ピーター(ガブリエル・バッソ)はある日ニューヨークの地下鉄で、車両の座席の下に黒いリュックを置いて下車した怪しい男を目撃。職業的カンから、急ぎリュックを開けると果たしてそこには時限爆弾が❗緊急停止した地下鉄から乗客を逃したところで大爆発が起こり、重傷を負いながらもピーターは大惨事を未然に防ぎます。


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※コンピュータの才を生かしてグイグイ真相に迫るガッツなローズと、彼女に背中を押されつつ巻き込まれていく素直なピーター(^_^;)彼が敵と近接戦を繰り広げている間にローズが後ろから援護して、結局彼女が敵を倒すパターン、多し(笑)

 

 時は流れて1年後。ピーターは英雄視されたかと思いきや、あまりの手際の良さにかえって事件との関連性を疑われ、ナイト・アクション(ナイト・エージェントと呼ばれる諜報部員たちの緊急事態を知らせる電話)を一晩中見張るという閉職に追いやられていました。しかしある夜ピーターのシフト時に、「めったに鳴らない」筈の電話がけたたましく鳴り響きます。それはローズ(ルシアン・ブキャナン)と名乗る若い女性からのものでした。サイバー企業の若きCEOだった彼女は解任されて自己破産寸前、伯父夫婦の元に居候していたのですが、一般人だと思っていた伯父たちは実はナイト・エージェントで、ある夜襲撃を受けて伯父たちは暗殺されてしまいます。すんでのところで逃げ延びたローズは、生前の彼らの指示に従ってナイト・アクションに緊急要請をしたのでした。迫りくる暗殺者の影。彼女の命を救えるのは1本の電話線に繋がれたピーターの指示のみ。果たして彼女は……!?


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※ナゾの女殺し屋。発言も行動もぶっ飛んでて予測不能。画面に出てくるだけでコワイ(笑)

 

 危うく死からは逃れたものの、犯人の顔を見てしまったローズは、暗殺者グループから追われる身となり、ホワイトハウスの保護観察下に置かれることに。大統領首席補佐官ダイアン・ファー(ホン・チャウ)からローズの警護を任されたピーターは、伯父夫婦の死の真相を調べ始めたローズに協力するうち、国家全体を揺るがすような大きな陰謀に巻き込まれていきますが……。


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※窓際に追いやられているピーターを何かと気にかけてくれるファー首席補佐官。どっかで見た顔だなぁ……と思ったら、『ザ・メニュー』でカリスマ・シェフ(レイフ・ファインズ)の忠実なる部下であり、サイコな料理人を演じたホン・チャウさんではありませんか❗シルバーヘアだと全然印象が違う。

 

 スリリングなサスペンスであることはもちろんなんだけど、キャラの描写が、誰一人としてステロタイプじゃないところが◎(ラスボスもサイコな絶対悪ではなく、人間的な弱さを抱えている設定) ストーリーの早い時点で、敵は誰かうすうすわかるし、彼らによって何かとんでもない陰謀が進められていることがわかる。ただし肝心の犯人グループの計画が度重なるハプニングで二転三転。当初は大切な人を守る為に仕方なくとった行動が、進めていくうちにいつのまにか自己保身と野望に成り代わって抜き差しならないことになるとか、利用するために近づいた相手に本気になっちゃうとか、それぞれの心境が変化して計画に綻びが生じ、犯人グループの結束も崩れてくるので、ローズやピーター同様、観ている我々も翻弄されて、なかなか真相に辿り着けません(^_^;)最後までハラハラ、考えれば考えるほど迷路に入り込むストーリー、なかなか他にないですよ。政治スリラーやスパイものがお好きな方はぜひ❗アメリカではめちゃくちゃヒットしたらしく、シーズン1が配信開始されたばかりだというのに、シーズン2の製作が早々に決定したもよう。……まあ、既にシーズン1のラスト、ピーターは新たな任務を与えられてましたからね。製作陣もヤル気満々ですね。(もちろん観る側の我々も 笑)

 

 主役を務めるガブリエル・バッソくん、トム・ホランド並みの童顔で、顔だけ見ると高校生みたいなんだけど(^_^;)ボディはムキムキ、それにかなりご立派なタトゥーを入れてて、そんなギャップが魅力的かも。

 

★今日のオマケ

 ローズとピーターを執拗に追い詰めるナゾの殺し屋カップル。流浪の身の哀愁感なぞも漂わせて、単なる悪役とはひと味違います。追い詰められ、悪の道にのめり込んだ男女の凄絶な道行き。アメリカン・ニューシネマの傑作『俺たちに明日はない』(アーサー・ペン監督)をちょっと思い出したな。コトをいたそうとすると男性自身が機能しない…って設定は、あのボニーとクライドにそっくりだわ(笑)

 

 

 

パリを舞台にしたおススメ映画PART5〜レトロファッションがステキな『ミセス・ハリス、パリへ行く』&『タイピスト❗』


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★ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年)

舞台は1957年、ロンドン。 第二次世界大戦で出征した夫を待ちながら、家政婦の仕事をかけもちして日夜働いているミセス・ハリス(レスリー・マンヴィル)。しかしある日のこと、夫の乗った飛行機は1944年に撃墜され、残ったのは指輪1つだった……という知らせが届きます。覚悟はしていたものの、放心状態のミセス・ハリス。しかしそんな時、働き先のお金持ちのおうちで、夢のように美しく、ゴージャスな一着のドレスに出会います。 ドレスの裏には、今まで彼女が見たことも聞いたこともなかった、クリスチャン・ディオールという名前が縫い付けてありました。一目でそのドレスに「恋した」彼女にとって、その瞬間から、「いつかパリへ行って、ディオールのドレスを買う❗」ことが生きがいになるのですが……。

 

時代設定が1957年というのがニクイですね。ミセス・ハリスがメゾン・ディオールに到着した日はちょうど10周年のコレクションの日で、メゾン中が大わらわ。貴族やら大富豪やら、お得意客が続々と到着するなか、現金を握りしめてドレスを買いに来た「得体の知れない英国女性」を、支配人のマダム・コルベール(イザベル・ユペール)は「あなたの来るところじゃないわ」と追い出そうとしますが、若い会計係フォーヴェル(リュカ・ブラヴォー)やモデルたち、お針子たちは、同じ労働者の立場にあるミセス・ハリスに同情的で、あれやこれや取りなしてくれます。それもそのはず、当時のパリはあちこちでゼネストが多発、アルジェリアをはじめとしてアフリカの植民地が次々と独立し、政府の労働政策の転換が叫ばれていた頃。ディオールも、今までの世界各国の貴族や富裕層ばかりを対象としたオートクチュール限定の商法だけでは立ち行かなくなり、岐路に立たされていました。ちょうどそんな中に飛び込んでいったミセス・ハリスが、持ち前の明るさと人の良さで、「メゾン・ディオール改革」に大きな役割を果たすストーリーは、ひと味違うオトナの青春物語。


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※当時のメゾン・ディオールでの新作発表会(パリコレのハシリ)のシーンが出てくるのも楽しい❤

 

…でも、映画の中で若い人たちの革新的な考え方を受け入れる度量の大きさを見せたムッシュディオール、史実としてはこの年に亡くなっているんですよね😢マエストロの死を契機にイヴ・サンローランがメゾンを引き継ぎ、より一層ディオールは新しいフェーズへと突き進んで行くわけです。

 

  レスリー・マンヴィル(ハイ、ゲイリー・オールドマンの最初の奥様ですねぇ。この作品のような人の良いオバちゃん役も、『ザ・クラウン』や『ファントム・スレッド』のような取り澄ました役もどいらも演じられる…スゴイ❗)とイザベル・ユペール(フランソワ・オゾンのミューズとしても知られた彼女、冷たく取り澄ました裏に情念を燃やす役柄が似合います)、イギリスとフランスの二大女優の演技合戦もお見事。ヲタク、二人とも大好きな女優さんだからもう、二人の共演っていうだけでワクワクしました。最初は全く相容れずいがみ合いながらも、様々な出来事を通じてお互いを理解し合い、最後は「私たち、似た者同士なのよ」(by ミセス・ハリス)と言うまでになる、そのプロセスも胸アツ❗

 


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タイピスト❗(2012年)

『ミセス・ハリス〜』と同様、舞台は1950年代。フランスのド田舎、雑貨店を営む父と二人暮らしのローズ・パンフィル(デボラ・フランソワ)は、父が強引に進める縁談を逃れる為、独学で覚えた早打ちタイプを武器❓に、パリで保険代理店を経営するルイ(ロマン・デュリス)の秘書として採用されます。ところがこのローズ、重要書類をシュレッダーにかけ、それをムリヤリ引っ張った為に機械を壊したり、電話をとるのにメモが見つからず社長のルイの手のひらに書いちゃったり…と、秘書としてはさんざんのていたらく(笑)ルイは「秘書には向いていない」とクビにしようとしますが、「村に帰ったら、気の進まない縁談を受け入れるしかない」とローズに泣きつかれ(フランスでも50年代はこんな感じだったのね😅)、彼女を田舎に帰さない為の苦肉の策『タイプ早打ち大会』優勝を目指して、彼女を特訓するハメになり…というおはなし。

 


  …はてさて、このストーリー展開と映画のキャッチフレーズのかずかず…「マドモアゼルのド根性見せてあげる」「素敵な上司は鬼コーチ」どこかで見たことある、聞いたことあるゾ…そう❗まんま『アラベスク』(山岸凉子)、『エースをねらえ❗』(山本鈴美香)ですよねぇ。イケメンでクールなコーチがいて、『ドジで、ノロマなカメ』(あ、このフレーズは少女漫画じゃなくて、堀ちえみ風間杜夫ね。ドラマ『スチュワーデス物語』)な私を、栄光の極みに導いてくれる…っていう少女の夢のキラキラ世界✨💍✨


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※画面もファッションもみんなカワイイ😍ピンクのタイプライター……欲しい(笑)


  鬼コーチ…って言ってるけど、行動を観察しただけで(お前ホントはめちゃくちゃ優しいだろーーっ)って突っ込み入れたくなるのも、やっぱり少女漫画の世界(笑)

 


  映画でのローズの特訓の様子なんて見ると、走ったり跳んだり自転車こいだり、まんまスポ根。手動タイプってホントに体力勝負。5本指で打つ場合、普段使わない薬指や小指にかなり負担が来るから、肩から二の腕も一緒に鍛えなくちゃいけない。ストーリーはまんまスポ根でも、そこはそれフランス映画、おシャレで可愛くてキッチュでポップな作品に仕上がっているところがお国柄❤️カラフルなオープニングがまず必見🎵ローズのブロンドのポニーテール姿を初めとして、登場する女性たちの50年代ファッション、画面の色彩感覚に酔いしれ、映画の中のセリフ…「アメリカ人はビジネスを、フランス人は愛を」に象徴されるフランス的流儀を堪能あれ❗

 


 


  

ボブ・ディラン役のティモシー・シャラメ、自身の声で歌う❗〜『A complete unknown』

 
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ティモシー・シャラメ(左)と若き日のボブ・ディラン(右)。顔の骨格が似てるね 笑

 

長らくペンディングになっていたボブ・ディランの伝記映画。なんとディランを演じるのはあのティモシー・シャラメ❗先日、当ブログでもプリプロが開始された…というニュースをお知らせしましたが、いよいよ8月から撮影に入るようです。題名は『A complete unknown』で決まりみたいですね。(当初は、『Going Electric』と発表されていました^^;)

 

『A complete unknown』は、ディランの曲の中でも最も有名な『Like a rolling stone』の中のこのくだり

 

How does it feel
How does it feel
To be on your own
With no direction home
Like a complete unknown
Like a rolling stone?

 

どんな気がする?

帰る家もなく独りぼっち

どんな気がする?

転がる石のように

誰からも相手にされないって

から採ったもの。

 

 ディランは普段から挙動不審なのか、はたまたスターのオーラが全く無いのか(笑)女性警官から職質を受けて本人と信じてもらえなかったとか、自分のコンサート会場に入れてもらえなかったとか、ノーベル文学賞まで受賞した超ビッグネームにも関わらず、けっこう情けないエピソードがあるんですよね(^_^;)…で、そういう時には決まって「Like a complete unknown」の歌詞を引き合いに出されてマスコミにいぢられるという……笑。

 

 この歌詞の真逆、あらゆる人を惹きつけ、どこにいても目立っちゃうシャラメがどう演じるかも見ものですが、今日さらに嬉しいニュースが入ってきました❗作品中ディランが歌うシーンは、全てシャラメが吹き替えなしの自身の声で歌うそうです❗『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』、彼がピアノを弾き語りしながら歌ったジャズのスタンダードナンバー"Everything happens to me"はもう、永久保存版の素晴らしさでしたからね。シャラメを見ていると、天は時に二物も三物も与えることがあるんだな……と思っちゃうワ(笑)

 

 ……でも考えたら『レイニーデイ〜』の時は、マンハッタンの街で待ち合わせしていた彼女(エル・ファニング)にすっぽかされ、

ゴルフをしようとすると必ず雨が降るし、パーティーとなると上の住人からクレームが来る。

こんなツイてないボク

…と、ショボクレながら『Everything happens to me』を歌ってたんだっけ。うん、ショボクレたシャラメもよかったよね(笑)「Complete Unknown(誰にも相手にされない)」シャラメも案外、イケるかも😉

 

 

アンドリュー・ガーフィールド✕フローレンス・ピューのツーショ〜『We Live In Time』

 
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 先日開催されたアカデミー賞授賞式で共にプレゼンターを務め、仲睦まじい様子が話題になったばかりのアンドリュー・ガーフィールドとフローレンス・ピュー。

 

 その後すぐに、スタジオ・カナル制作のロマコメ映画『We Live In Time』(監督は※ジョン・クローリー、脚本はニック・パイン)に二人が現在出演交渉されている……というニュースが流れて、(あー、それでかぁ〜)と思った向きも多いハズ。かくいうヲタクもその一人。決まれば今年の後半に撮影開始と言われていましたよね。

アイルランド出身、映画『ブルックリン』(2015年)の監督。『ブルックリン』は、第88回アカデミー賞作品賞、脚色賞、主演女優賞(シアーシャ・ローナン)にノミネートされました。

 

 

 ところが今日になって、既に撮影が始まっていることが報じられ、ビックリ🙀。幾つかのショットも公開されました。映画の中のワンシーンなのか、それともオフショなのからわかりませんが、いずれにせよとってもイイ雰囲気なのは確か。

内容は、愉快で、感動的で、観客が感情移入できるようなリアルなラブストーリーだそうです。


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 フローレンス・ピューの、こんな屈託のない笑顔、今まで見たことあったかなぁ❓どちらかというとエキセントリックな役柄が多かった彼女。レカペでも、わりと挑戦的な雰囲気よね❓……なんだか新たな一面を見たような気がする。


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