オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、鑑賞後の感想を呟いたりしています。今はおうちで珈琲片手に映画やドラマを観る時間が至福。

マイク・ファイスト、自身の舞台『ブロークバック・マウンテン』について語る


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 The New York  TimesのWEB版に、ヲタクの熱烈推し、マイク・ファイスト(スピルバーグ版『ウェスト・サイド・ストーリー』リフ役)の新作舞台に関する特集記事が〜〜〜❗

 

 彼、しばらくは※映画の撮影が続いていたのですが、今回は古巣の舞台に戻ることとなり、すでにウェストエンド(ロンドン)でリハーサルが開始されたもよう…という情報は、当ブログでもすでにご紹介しました。

※『チャレンジャーズ Challen』(ルカ・グァダニーノ監督、ゼンデイヤ、ジョシュ・オコナー共演)、『ライダーズ Bike Riders』(オースティン・バトラー、トム・ハーディ共演)


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 マイクがこの度挑戦する作品は、あの名作映画『ブロークバック・マウンテン』(2005年)の舞台バージョン。1963年、アメリカ中西部ワイオミング州の牧場に季節労働者として雇われた2人の青年、イニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)。羊の放牧を任された彼らは生活を共にするうちに固い友情を育み、やがてそれは激しい愛へと変わっていきます。

 

 互いに家庭を持ち、子をなしてもその後20年その想いは変わらないまま。映画を観た当時は、世の中にはこんな形の愛も存在するのか……と、衝撃を受けたものです。「ボーイズラブの名作」とか、特殊なカテゴライズの対象にされがちな映画なんだけど、ヲタク的にはもっと普遍的なテーマを感じました。「ロミオとジュリエット」の昔から、その時代背景や社会、国家の体制、階級制度……さまざまな理由により、「禁断の愛」に身を焦がした恋人たちはゴマンといたわけです。イニスとジャックの二人もまた、同性愛が犯罪だった超保守的なワイオミングで、運命の相手と出逢ってしまう。その哀しさ、切なさ。結果的にジャックはその禁じられた愛ゆえに※非業の死を遂げてしまうわけですが、映画の中のジェイク・ギレンホールがもう、魅力的で色っぽくて、イニスが20年の間忘れようとしても忘れられないのもさもありなん……って感じでした。


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※ジャック役マイク・ファイスト(左)と、イニス役ルーカス・ヘッジズ。後ろに貼ってあるのは、ワイオミングの風景。彼らが感情移入しやすいように…とのバテレル舞台監督の配慮のようです。

 

 マイクは、映画の中でギレンホールが演じたジャック役を演じます。(どうあがいても自分はジェイク・ギレンホールにはなれない。…だとしたら、自分が造型するジャック役はどうあるべき?)と煩悶したようですが、プレビューを迎えた今、「恐ろしく緊張してどうにかなっちゃいそうだけど、一方で、こんな最高の体験ができることはそうそうない」という心境に達したもよう。(生真面目なマイクらしい…)


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※「どうしようもなく怖くてもどかしいけど、人生で最高の時間を過ごしていると思う」と語るマイク・ファイスト(左)

 

 演出を務めるジョナサン・バテレルは、主役の二人は正反対の、際立つ個性の持ち主だと語り、「ファイストは「生命の躍動感に溢れて」おり、ヘッジズは「非常にイニスらしい、複雑な内的世界を有している」と評しています。舞台の背景は、非常に保守的な1960年代のワイオミング。現代はこの時代に比べて同性愛者が置かれた状況は随分変化した…と言われているけれども、「依然としてホモフォビア(同性愛者嫌悪)は至る所に存在している」とバテレルは語り、「だからこそ今、『ブロークバック・マウンテン』を舞台化することに意義がある」とも。

 

 ウェストエンド(ロンドン)にはとても応援には行けませんが(^.^;、たとえ実際に姿を拝むことができなくても、推しが役者として大輪の花を咲かせていく様子をニュースで知ることができるだけでもシアワセ😍推し活の醍醐味❗あー、ネット時代に生まれてよかった。

 

 …それにしても今回の舞台、ブロードウェイじゃなくてウェストエンド(ロンドン)なのね。マイク自身はアメリカ中西部の街ガハナ出身で、10代でニューヨークに出て来て、苦節の末オフ・ブロードウェイの『ディア・エヴァン・ハンセン』で最初のチャンスを掴んだ生粋のアメリカンボーイ。…でも思い返してみると、彼の映画での出世作スピルバーグ版『ウェスト・サイド・ストーリー』のリフ役も、英国アカデミー賞(BAFTA)の助演男優賞にはノミネートされたのに、本国のオスカーではカスリもせず(^_^;)

 

 英国人好みのアメリカ人なのかしら、彼(笑)


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※『ウェスト・サイド・ストーリー』で彼が造型した新たなリフ像は、それは見事でした❗