横浜にあるモール「ららぽーと横浜」内のシネコン「109シネマズ」にて、スパイスリラー『ブラックバッグ』鑑賞。
★スパイスリラー〜しかし銃弾は飛ばず、視線が飛び交う❗️
スパイもの……と言っても、スパイ同士の虚々実々の心理戦・頭脳戦を描いたもので、007みたいにドンパチのアクションシーンはほぼ出て来ず、上質の舞台劇を観ているかのような味わい。その代わり、組織内の裏切り者を追う主人公のジョージ(マイケル・ファスベンダー)と一緒に、容疑者たちの発言の裏を深掘りしたり、ふとした表情や目の動きを見逃すまいと目ギラギラして観ていたので、終わった後、ヲタクはぐったり疲れました(笑)上映時間は1時間半、最近の映画にしては短いけど、そのくらいが限界です(^_^;)
★ざっくり、あらすじ

※スパイ同士が腹を探り合う、頭脳戦のゆくえは……
❗️❓️
英国の国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)のエリート諜報員ジョージ(マイケル・ファスベンダー)が、ある夜命じられた極秘任務……それは、国家の存亡に関わる重大機密〜原子炉にアクセスしてメルトダウンを引き起こす不正プログラム「セヴェルス」を盗み出したNCSC内部の裏切り者を炙り出せ…というもの。容疑者は、セヴェルスの存在を知る5名。しかし、その中にはなんと、ジョージの妻であり、凄腕の諜報員であるキャスリン(ケイト・ブランシェット)も含まれていたのです。ジョージは、裏切り者を炙り出すため容疑者全員をディナーに招待し、食事に自白薬を仕込んで心理ゲームを仕掛けますが、調べを進めるうち、キャスリンが犯人だという状況証拠が次々と出てきて……❗️
⚠️ここから一部、ネタバレあり、注意❗️⚠️

予想外の展開を得意とするソーダバーグ監督のこと、冒頭でケイト・ブランシェット演じるキャスリンが疑いをかけられた以上、よもや犯人……というイヤミス展開にはならないだろうとは思ったけど、その通りで安心しました(^_^;)
いやだってさ、フィクション上のこととは言え、ケイト・ブランシェットとマイケル・ファスベンダーが余りにもお似合いで😍2人のツーショがステキすぎて見ているだけでうっとり、交わす会話もオトナの魅力に満ちてスタイリッシュ、理想の夫婦なんだもん。2人が実はお互い騙し合い、相手を裏切ってた……なんて結末だったらヲタク、明日から何を信じて生きていけばいいの(笑)
★スパイ同士、「男と女のラブゲーム」
ジョージとキャスリンを除く男女4名は、それぞれセフレ同士……というカンケイ。ジョージが仕掛けたディナー・ゲームによって、彼らの持つ特殊な性癖?(^_^;)やら、欲望やらが次々と露わになり、何やら痴話喧嘩の様相を呈してきます。本人たちは真剣なんだけど、はたから見てるとちょっとバカバカしくて思わず苦笑してしまうシーンもあり、「艶笑喜劇」のような側面も。ソーダバーグ監督の『オーシャンズ11』や『アウト・オブ・サイト』を思い出しました。スパイ同士の
🎶水割り行きずり古い傷🎶
🎶男と女のラブゲーム🎶
(1986年日本の歌謡曲)
ってとこでしょうか。(例えが古すぎて、若い読者の方はちんぷんかんぷんね。ゴメンナサイ^^;)
そして最後には、彼らの人としての本性が暴かれていく、大いなる皮肉な結末に。
★007リスペクト〜ソーダバーグ監督の遊び心
舞台はロンドンですが、ソーダバーグ監督自身はアトランタ出身の生粋のアメリカ人。しかし、サイバーセンターのボスに5代目ジェームズ・ボンド役のピアース・ブロスナンを、ジョージの同僚役に、一時次代ボンドの有力候補と言われていたレゲ=ジャン・ペイジ(そう、『ブリジャートン家』の公爵様でブレイクしたあの人です)を配するなど、007シリーズへのリスペクトと遊び心が感じられ、イアン・フレミング&ジェームズ・ボンドファンのヲタクとしては、嬉しい限り……でした❗️
非情な世界に生きるスパイたちとて、結局は一人一人生身の人間。彼らもまた、「信じる」ことを求めてる。私たちと同じように彼らの人生も「愛」から始まるのです。