KINOシネマみなとみらいにて、韓国映画「秘顔」観賞。
将来を嘱望される若手指揮者ソンジン(ソ・スンホン)は、オーケストラの楽団長の一人娘であり、優れたチェリストでもあるスヨン(チョ・ヨジュン)と婚約しており、その前途は洋々かのように見えました。しかしある日、スヨンは「やっぱり私は結婚に向いてないみたい。婚約はなかったことにして」というビデオメッセージをPCに残して、突然失踪してしまいます。理由もわからず悶々とするソンジンの前に、スヨンの知人で、スヨンが失踪する前に自ら代理のチェリストに指名したという謎めいた美女、ミジュ(パク・ジヒョン)が現れます。儚げで清楚で、スヨンとは対極の魅力を持つミジュに、たちまちのうちにのめり込むソンジン。ソンジンとスヨンの「愛の巣」で、狂ったように求め合うソンジンとミジュ。その痴態を、怒りと嫉妬に燃える1対の眼が食い入るように見つめているとも知らずに……。
ストーリーはまあまあ面白かったけど、「人間椅子」や「屋根裏の散歩者」、「蔵の中」など江戸川乱歩&横溝正史フリークのヲタクからするとこのアイデアは目新しいものではなく、冒頭から容易に展開が想像できちゃったから、ちょっと興ざめだった^^; ひと昔前だったら、将来有望なイケメン音楽家を取り合う女2人の壮絶バトル……って展開になるんだろうけど、でもそうはならないところが今ドキなのかも。
それにしても、韓国映画を観るたびに思うんだけど、韓国の人って愛憎の念の振り切り方がスゴすぎる(笑)可愛さ余って憎さ百倍思い込んだら命がけ、毒食わば皿まで……いやもとい、愛したら地獄の果てまでも。……反対に日本人って淡白というかサッパリしてるというか、色恋沙汰のために泣いたり喚いたりするの、気恥ずかしいって文化があるじゃないですか。「君子の交わりは淡きこと水の如し」的な。また、どんな感情も喉元すぎれば……だし。ヲタク自身その典型だから、「秘顔」まで来るともう、異星人の映画みたいに思えてくる。映画の中で、ある事件……というか、ある犯罪が描かれるわけだけど、その動機がね、(えっ、そんな些細なことのためにそこまでやっちゃうの❗️❓️)みたいな。「オールド・ボーイ」(パク・チャヌク監督)の主人公の壮大なる復讐劇、その動機がラストにタネ明かしされた時の感覚に似てるかな。今回「秘顔」を観ながら、さすが延々と慰安婦&徴用工問題を引き摺ってる国と、核開発の実験台になって原爆落とされても、その相手を同盟国としてサラッと受け入れちゃう国の国民性の違いを感じてしまったヲタクでした。良し悪しは別としてね。
さてさて、ヲタク的にはお久しぶり〜ね〜🎵のソ・スンホン。惜しげもなく筋骨隆々の美ボディを晒して大サービスですが、何せ美女2人の愛憎ドロドロに巻き込まれて右往左往するだけの役回りなんで(^_^;)せっかくの張り切りぶりも少々空回っているのがお気の毒。ヲタクは「情愛中毒」以来なんだけど、あの時の愛の狂気、色気ダダ漏れ感が今回はあまり感じられず、何だか毒気を抜かれちゃった感があります。また、「韓国映画史上最高のベッドシーン」の呼び声も高いこの映画、ソ・スンホンのお相手を務めるパク・ジヒョンがどうも新垣結衣にしか見えなくて(^_^;)…。薄幸なふぜいで、少女のようなか細い身体をして19禁ベッドシーンを繰り広げるもんだからちょっと痛々しくて、観ているこっちが悪いことしてる気分になった(笑)
しかし、ミジュ役のパク・ジヒョンとスヨン役のチョ・ヨジュンの破壊力はスゴイ❗見事なまでに正反対の魅力を放つ美女をW主演に据えたことが、まずはこの映画を成功に導いた要因ではないかしら。…え❓️主役はソ・スンホンだったの❓️彼、狂言回しじゃなくて❓️(笑)
愛と憎しみの濃密な映画ですが、全編を彩るシューベルトの名曲の数々(アールペジョーネ・ソナタ、交響曲第8(未完成)、ピアノ即興曲第8)はひたすら儚げで美しく、ストーリーの重苦しさを救っています。
※支配欲の権化であり、大輪の華のようなスヨン(左…チョ・ヨジュン)と、被虐性癖を持つミジュ(右…パク・ジヒョン)。この2人の美女の愛憎ドロドロがこの作品の最大の見どころ。パク・ジヒョンとソ・スンホンのベッドシーンばかりが騒がれてるけど、ヲタク的にはラストのアノシーンのほうがよほど背徳的で……☆#/)』}'£[π↹↸(ピーーー 笑)